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――主にどんなものを撮りますか
美しい風景などを見たときに、独り占めするのではなく、「誰かと共有したい」と思ったものを撮るようにしています。自分のためにというより、誰かに見せたいから撮る。子どものころからずっとそうで、中学生のときにホームステイしたときも、記録とか記念写真というより、パンクファッションの人など日本にない光景ばかり。「見て見て! 日本と違うよ」という感じで撮っていました。だから自分の写真があまりないんです。食べ物からわき立つ幸福感が好きで、料理を自然光で撮ることも多いですね。写真の多くはブログにアップしています。幸福感は探しに行くものではなくて身近にあるものだと思うので、それを私の写真で感じてもらえたらいい。夕焼けがきれいだとか、今日は上手にお芋が蒸かせたとか、日常的な写真です。でもそれが好きと言ってくださる方がいて、うれしいですね。
好きな写真家は、エリオット・アーウィット。有名な車のドアミラーに映ったキスの写真(「Santa Monica,California 1955」)が大好きで、個展で来日されたときに並んでカメラケースにサインをしてもらいました(笑)。あんな柔らかいすてきな写真を撮る人なのに意外と気むずかしそうな雰囲気で、興味深かったです。
――茶道家でもありますが共通点は?
写真は写真でしか見られない世界があると思うんですよ。実際に肉眼で見た対象より、露出などを調整して写真で切り取った一枚のほうがすばらしいときがある。茶道も、日常とは違った角度からものを見せてくれたり、感覚を与えてくれます。そういう世界観が、写真と茶道は共通するのではないかと考えています。また美しい点前のためには技術の訓練もやはり大事で、写真も人に感動させたいためには「お作法」が大事というところも同じですかね。

「アサヒカメラ」(朝日新聞出版)連載「あの有名人のお宝カメラ」より
(更新日:2012年05月14日)

深澤里奈(ふかざわ・りな)
1974年東京都生まれ。フェリス女学院大学卒業。97年フジテレビにアナウンサーとして入社し、さまざまな番組を担当した後、2004年退社。そのころから、心身の「美」に関するテーマを中心に、各メディアでパーソナリティとして情報を発信し続けている。なかでも、15歳から稽古を開始した茶の湯に関しては、江戸千家十世家元・川上宗雪氏のもと、08年師範としての道号「深澤里雪」の相伝を受けた後、09年から心の調和を第一の目的とした、着物と正座を必要としない全く新しいスタイルの茶の湯ワークショップ「tea journey」を立ち上げ、展開。現在メディアでの活動と平行して、年間のべ千人弱の生徒と交流を持ち、茶の湯がもたらす心の調和、平穏を伝える活動を精力的に続けている。

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