審査委員から「空気を吸い込み、そして吹き出すという、空気清浄機の動作を極限まで純化させたオリジナリティー溢れるデザイン。何物でもないそのシンプルで控えめな外観は、質感の高さとあいまって、幅広いシーンに違和感なく調和するであろう」という評価を受けた。美しさやデザイン性はもちろんのこと、デザインコンセプトや調和のとれた景観を提案している点が評価されるなど、±0(プラスマイナスゼロ)が目指す製品のあり方そのものが受賞理由につながった。
自動、静音、標準、急速、花粉の5つの運転機能がついた空気清浄機。操作ボタンは、運転ボタンとタイマーボタンの2つだけに絞り込み、誰でも簡単に操作できるようになっている。パンチングメタルを使って上質な質感を出しており、形状も使う人や場所を選ばない丹精な姿となっている。シンプルな外観にすることで、流行に左右されずに長期にわたって使えるデザインを実現した。

ここ数年で「デザイン家電」という新たな市場を切り開き、創業から3年続けてグッドデザイン賞を受賞してきた±0。デザインディレクターの深澤直人さんが、受賞作品やデザインコンセプトについて語ってくれた。
「ありそうでなかったもの」「腑(ふ)に落ちる普通を作る」などと評されるシンプルで機能的なデザインの根底にあるのは「生活様式に立ち、無理をしない表現」。日本のメーカーは技術力が高く、消費者も最新の高機能な家電製品に満足しています。しかし、±0のモノサシはまったく違います。「壊れたから買う」のではなく、「欲しくて買う」といわれる家電や雑貨をつくりたいと考えています。

道具としての機能に徹し、余計な機能を盛り込まない。作家の個性を出さず、空間との調和を考え、使い手にしっくりくる形で表現する――±0の名前にもつながるコンセプトは、「適正なデザイン」です。決して簡単ではありませんが、受賞作品となった「空気清浄機」にも、その思想は反映されています。空気を吸い、きれいな空気にして出すという空気清浄機の基本機能を、壁に溶け込む筒型の煙突として表現しました。前面は金属素材を使い、小さな穴を全面に空けました。機能として必要な穴の数や面積は限られていますが、必要な部分にだけ穴があると全体として見たときには視覚的ノイズになってしまうからです。上部の噴き出し口も、空気がきれいに見える仕組みにこだわりました。
四角のフィルターを筒型の外観に仕上げたり、穴をきれいに見せるためにメタル素材を使ったり、と製造には手間がかかります。デザインは一人ではできません。でも、そうやって苦労して生み出したデザインは違和感なく自然に生活になじんでいく。そのときに「そういえば、こういうのはありそうでなかったな」と感じるのではないでしょうか。

商品を使う場所を、家庭とかオフィスなどと区別しません。ユーザーを中心に考えると、生活の場を超えて存在するデザインが見えてくる。どこでも溶け込み、使う人のセンスを表す手段となるデザイン、それが究極の「普通」デザインです。
空気清浄機は、黒、白、グレーの3色。大手メーカーが作れば、グレーという選択肢は用意しないでしょう。自分の置く場所は白が合うか、グレーが合うか。自分に合う靴や洋服を選ぶのと同じ感覚で、その微妙な色合いを悩んでもらいたいのです。

| 社名 | プラマイゼロ株式会社 |
|---|---|
| 本社 | 東京都港区南青山 |
| 設立 | 2003年9月1日 |
| 事業内容 | 家電・雑貨の企画、製造、販売。直営店(±0青山本店)の運営。 |
| URL | http://www.plusminuszero.jp http://www.pmz-store.jp |
| お客様窓口 | ±0コミュニケーションセンター 0570-01-5300 (月〜金 10時〜17時<祝日除く>) |
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