良いデザインとは使ってみてこそ、その優れた本質がわかるというもの。
なぜなら、デザインの背景には「なぜ、その形なのか」という明確な思想と、そのデザインを実現可能にした技術の進歩の両輪が存在するからだ。
優れたデザインの製品群は我々の生活をより豊かなものにしてくれる。そこで、2007年グッドデザイン大賞を受賞した「eneloop universe products」から、生活とデザインの関係を読み解いてみよう。

2007年グッドデザイン大賞を受賞した「eneloop」。「エネルギー(energy)の循環(loop)」というコンセプトを明確に示すネーミングだ。三洋電機が掲げるブランドビジョン、「Think GAIA」という企業メッセージを体現する商品群で、白と美しい曲線で構成されたデザインは、クリーンさとエコロジー思想を表している。
「eneloop」のスタートは、2005年11月の単3型充電池の発売。「電池を使い切る生活から、繰り返し使う生活」という新しいライフスタイルを提案した。画期的だったのは、従来の充電池とは異なり、買ってすぐに使えるということ。使い終わった後はリサイクルが可能で、優れた経済性と環境への配慮を実現し、三洋電機独自の革新的な技術力が、商品一辺倒で使い捨てを良しとするライフスタイルの見直しを投げかけた。優れた機能とデザインの背景には、必ず、それを可能とする技術の進歩が存在する。


今、我々の生活で大きな問題となっているのが「ゴミ」。これまで使い捨てが当たり前の生活をしてきたがゆえに、ゴミ処理に多額のコストが必要になってしまった。
そこで、「eneloop」はエネルギーの循環だけでなく、ゴミを極力減らし、「健康で継続可能な生活=LOHAS」も提案。それを具現化したのが、充電式カイロ「eneloop kairo」というユニークな製品だ。
使い捨てカイロは安価で便利なものだったが、その裏にある不燃ゴミ処理のコストは忘れ去られていた。だが、「eneloop kairo」は充電により約500回も繰り返して使うことができる。500回分の使い捨てカイロがどれくらいの分量のゴミになっているかを考えてみてほしい。こんな身近で手のひらに収まるような小さな製品が、我々の生活と地球環境を少しずつ変えていくのではないだろうか。
優しい丸みを帯びたデザインに、スイッチを入れるとほのかにともるLEDライトは、どこか不思議な生命体を表しているかのようだ。「eneloop」シリーズは、どの製品を取ってみても「Think GAIA」に裏付けられたデザインが統一されている。そのため、デザインの力によって、企業メッセージが消費者に確実に届く。


「eneloop」シリーズは、さらに快適な暮らしと地球環境への配慮の両立を推し進めている。その一つが、2006年11月に発売となった「eneloop solar charger」だ。外部電源をまったく使用せず、100%太陽エネルギーで充電池を充電でき、家庭でのクリーンエネルギー活用を実現させた。
「eneloop solar charger」もまた、その思想をわかりやすく表現するデザインとなっている。太陽光を効率的にチャージするピラミッド状の形は、機能的なだけでなく、人類と太陽とのかかわり、ひいてはエネルギーの浪費を改めて見つめ直すきっかけとなるはずだ。

グッドデザイン賞とは、財団法人日本産業デザイン振興会が主催する、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の運動。1957年からスタートし、世界でも有数の歴史と実施規模を誇るデザイン賞。生活と産業のクオリティーの向上に貢献するデザインを、身の回りのさまざまな分野から見出し、これまで3万2000件以上をグッドデザイン賞として顕彰している。


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