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大人のお稽古

創作意欲がわいてくる陶芸教室 土に触れていると気持ちが集中

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作品づくりスタート

作りたいもののイメージに合った土を選び
菊練をして土中にある空気を押し出していく

イメージ写真

円を描くように力強く練っていくと、塊の中心にへそができ、そこから放射線状のしわができる…陶芸の基本のキ、菊練(きくねり)だ。「空気を押し出さないと、窯(かま)に入れたときに割れたりひびがはいったりするんです」

中原さんは陶芸歴5年。昨年までは上級コースの教室に通っていたが、今年から「陶芸クラブ」という、教室にいる時間は自由に作れるコースに転じた。質問や相談があれば、そのつど、松野先生に聞く。腕が上がってくると、お稽古も自分ペースでできるようになる。

松野先生より

「今は教わってきた技術と知識をベースに、ご自分の表現スタイルを模索されているようなので、迷ったときにアドバイスをするようにしています」

イメージ写真
ろくろは手元だけでなく、体の中心がずれないように注意する。体の芯(しん)がびしっと決まっていないと、ろくろの芯がうまくとれない。「電動ろくろはペダルを踏んで回転速度を調整。どこかバイクの運転に似ているんですよ」と中原さん。
イメージ写真
ビアマグの成形ができあがった。これを乾かし、1週間後にまたろくろにかけて削り、次の釉がけのステップに進む。上は、途中でイメージとは違ってきてしまったので、片口にしてみた。

中原さんコメント

だんだん自分らしい作品を、自分のペースでつくりたくなってきて、「陶芸クラブ」に移ったんです。このコースだと水曜日から土曜日の間の好きなときに来て、土と向き合えるんですよ。ただ、それは僕が初級、中級、上級と習ってきて、技術と知識を身につけたから。基礎をきちんと学ばないと結局は自分がイメージする作品なんて、できないんじゃないかな……と。えらそうなことを言っていますが、イメージどおりにできたことなんて、ほとんどないんですけどね」

素焼きが上がれば…

いよいよ釉薬をかける段階へ

作品づくりの流れは、土練り→成形→乾燥→削り仕上→素焼き→釉がけ→焼成。

今週は、じっくり時間をかけて作品の釉がけまで終える。

「今、やっているのは素焼きした作品の高台(こうだい)部分のマスキングです。ここに釉薬がかかってしまうと、窯で焼いたときに板にくっついてとれなくなってしまいますからね。熟練してくると、高台に釉薬がたれないようにできるんでしょうけど、僕の腕ではまだまだ(笑)」

実は、量産品と手づくりを見分けるポイントがココ。量産品は粘土を型へ流し込んでつくるので高台に表情がない。だが、手作りは高台を削り出すので、微妙な跡が残る。それがやきものに趣を与えるのだ。

イメージ写真
ノートのメモしておいたイメージスケッチに合わせて、マスキングをしていく。

中原さんコメント

削り仕上の工程は楽しいですね。こんな感じのものを作ろう! と思って成形していても、まだ腕が追いついていない。削り仕上げをしていると、ぼんやりとしていた輪郭がはっきりしてきて、わくわくするんですね。だから、一番時間をかけるのが削り出しです。僕はえいやっ! って思い切ってつくるタイプだけど、教室の仲間には2週間ぐらいかける人もいます。僕らが作っているのは商品ではなく作品だから、誰にせかされることなく、納得できる形になるまでいくらでも時間をかけられる。だから楽しいんです。

来週は焼きあがった作品とご対面

色見本を参考に2〜3種類の釉薬を選ぶ
どんな色に仕上がるかは窯をあけるまでのお楽しみ

九炉土では、約80種類の釉薬と約30種類の粘土を使用して、幅広いやきものの指導。また、初心者のために、20種類の基本釉薬を3種類の土にかけて焼いた色見本を壁にかけてある。だが、土と火が創り上げる陶器は窯の蓋をあけるまでは、どんな仕上がりになっているかはわからない。一種類ならば、セオリーどおりに近い発色になるが、数種類の釉薬をかけると互いに交じり合った部分は、あるときは芸術的になり、またあるときは己の未熟さをつきつけられる仕上がりになる。だからこそ、陶芸は面白いのだ。

成形や削り仕上の工程では、松野先生にあまり相談しない中原さんだが、釉がけだけは別。ノートに書き留めてあるイメージ図を前に、松野先生に焼き上がりの色や釉薬の組み合わせについて、熱心に質問する。

イメージ写真
 釉薬の前にずらりと並んだ色見本

松野先生より

「中原さんは本当によく勉強されていて、ノートに作りたいもの、試してみたい手法などをびっしりメモが書かれています。だから、こちらも張り合いがあるんです。ただ、頭だけで考えている部分もあって、そこは私たち指導陣がサポート。中原さんらしさを作品でどう表すかを考えながらアドバイスしています」

中原さんコメント

陶芸は計算しつつも、偶然の産物。知識と経験を深めないと、思ったとおりの作品にはならないけれど、計算どおりにいかないところがいいんです。だから、釉がけの前はどうかけるか、釉薬の組み合わせはどうするか、何回も頭の中でシミュレーションします。ちょっとした知的ゲームのようにね。今日は自分の手で釉がけまでして、焼成(窯に入れて焼き上げること)は松野先生にお任せ。来週が待ち遠しいですね

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「このあたりを渋い茶にするにはどうしたら?」と質問する中原さんに、「柿釉だと他の釉薬との色の組み合わせがいいですね」と、すかさず答える松野先生。
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