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中村さんが客役をつとめて、高校生が点てた薄茶をいただく。さまざまな世代が参加しているから普段耳にしない話題も飛び込んでくる。ほかでは出会わない人と茶席をともにするので、世界が広がる。
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茶道のお稽古というと、生徒はお定まりの言葉を口にする以外は無言のようなイメージがあるが、この教室は実ににぎやか。旅行の話、ネットオークションに出品された怪しい茶道具、他の流派の茶会(宗長先生のお稽古では他流試合と呼ばれている)に出た話など、会話がはずむ。けれど、よく聞いていると、宗長先生が媒介となって茶の湯の話に結びつけられていく。次々と生徒たちが稽古をつけてもらう様子を拝見すると、それぞれがとても個性的。同じ手順でお茶をたてているのに、その人らしさがはっきり出るから面白い。
「遠州流には男点前、女点前がないんです。つまり、自分らしくやりなさいという考えなんですね。そういう点前というのは素敵じゃありませんか? そんな影響もあってか、私の弟子は個性豊かな人が多く集まってくるようです」(宗長先生)
中村さんコメント
茶席での会話が楽しくて、欠かさず通っている面もあります。茶の湯とはもてなしの心であり、会話も大切な要素のひとつ。今年から、サービス・サイエンスという、サービスと技術・経営を融合させるコンサルティングの仕事を始めることになり、期せずして趣味と仕事が重なりを見せ始めました。そこがまたうれしかったりするんですよね。
4年間、遠州流を習ってきて、自分でも「変わったなぁ…」と思います。もともと茶室で時間を過ごしたいからと習い始めたので、茶道具のことなんてわからないし、興味もなかったんです。けれど、だんだんと知りたくなって、今では地方に出かけたときに茶道具を扱う骨董(こっとう)屋をのぞくようになりました。買うためにというより、実際に手に取ったり、見たりして、日本文化をもっと深く知りたいんです。それと同様に、旅先で建築や庭を積極的に見るようになりましたね。知識が増えると、歴史的な背景や設計の意図などがわかるようになる。だから、ますます遠州流を通して日本文化を知ることが面白くなるんです。
先日、大学院大学でサービス研究の指導を受けたスイス人教授一行を空門に招いて、宗長先生にお茶をたてていただきました。そのときは私が和服を着てお運び役を務めましたんです。この茶会に感動した教授から、私に茶の湯について講義で語ってほしいと依頼されました。茶の湯のもてなしの心はまさに、国境を越えた大人のコミュニケーションツールなんですね。
堀内宗長先生から
茶の湯は日本の伝統文化の総合芸術です。その中でも、武家茶である遠州流の「綺麗さび」は、特にダンディズムの世界と言えるでしょう。小堀遠州は江戸・寛永文化サロンの中心人物で、対立関係にあった天皇家・公家、僧侶、将軍家、譜代や外様大名、商人たちを同時に茶の湯に招き、融和をはかろうとしました。こういう外交センスは今を生きる我々も学べることが多いのではないでしょうか。
お茶はひとりでいただくより、何人かでのほうが断然、楽しいしおいしいものです。茶席をともにした人たちから、茶道具のこと、掛物のこと、生けている花のこと、さらに歴史や料理へと、いろいろなことが耳に入ってきて、きっと知りたくなるでしょう。世の中は知っていれば楽しいことがたくさんありますから、茶の湯がみなさんの世界を広げてくれることは間違いありません。
茶友倶楽部 空門
お問合せ先:03-5202-5737
壷中庵 堀内宗長先生のホームページ
中村さんが参加しているコース
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(更新日:2006年10月18日)
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