相田先生の工房では、ラブレス氏が考案したストック(原型)&リムーバル(削り出し)工法でナイフを制作する。これは用途に適した鋼材をマスター(型)に合わせて切り出し、グラインダーやヤスリを削ってナイフに仕上げていく工法で、刀鍛冶のように熱い鉄の塊を叩く鍛造(たんぞう)に比べて、はるかに作りやすい。
山本さんは汎用性の高い3インチ・セミスキナーを作ることに決定。マスターに合わせて、切り出す鋼材に鉄筆でアウトラインを描き(専門用語ではケガキ)、削り出していく。
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相田先生と相談してデザインを決定。ケガキ(アウトライン取り)をするために、ブルーのインクを塗り、その上から鉄筆でマスターに合わせて鋼材に傷を付けていく。
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すべて午前講習10:00〜12:00
午後講習13:00〜17:00 |
山本さんコメント
いよいよカスタムナイフ作りがスタートすると思うと、ワクワクしますね。厚さ3ミリのステンレスの板が、どんなナイフになっていくのか楽しみです。
相田先生より一言
ナイフはあくまでも「切るための道具」。切るという機能を追求した結果、一切無駄のない、プラスマイナスのゼロの美しいデザインを生み出してきました。ナイフメーカーは鋼材を見た瞬間に、どんなナイフを削り出すか、デザインが自然に浮かび上がってくるものなんです。
ナイフのデザインに一切無駄がないように、工程には明確な意味づけがなされている。たとえば、ハンドル材とブレード(刃)をつなぐファスナーボルトの穴を最初に開けるのは、ドリルの回転に板を持っていかれるので、ナイフの形にしてから穴を開けるより、四角い板のままのほうが格段に作業しやすいからだ。穴を開けた後は、ベルトグラインダーでアウトラインに合わせて削り出していく。
山本さんコメント
工程ごとに工作機械を使い分けていくので、最初は緊張しました。ナイフメーキングの面白さをまず実感したのは、ベルトグラインダーを使った外形を削っていく作業。最初、大まかに直線で削っていくのですが、その角を一つひとつ削って、つぶしていくと、頂点がゆるやかにつながって、ナイフらしい柔らかな曲線が生まれる。工程ごとに達成感があるのが、うれしいですね。
相田先生より一言
カスタムナイフは工作機械のイノベーションによって、まだまだ進化していくでしょう。たとえば私が使っている米国バーキング社製のベルトグラインダーは、研磨材の紙ベルトが簡単に取り替えられ、速度や角度も調整できます。削り出しがスムーズになり、美しいラインを出しやすくなりました。このおかげで、今後さらにカスタムナイフのデザインは完成度が上がっていくでしょう。
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ヒルト(鍔)はいわばナイフの安全装置。ヒルトがないと突き刺したときに、力があまりあまって刃のほうに手が滑り、思わぬケガをしてしまうからだ。けれど、わずか4センチほどの金属片から作るので、かなり難しそう…。
「手順をきちんと踏んでいけば、ちゃんとできあがります。ニッケルシルバーの性質上、いきなり真ん中を掘ってしまうと先端が開いてしまう。だから、最初に穴をあけて、線の切り込みを入れ、そこから徐々に削っていきましょう」と、相田先生。
ブレード、ヒルト、ハンドル材にファスナーボルトとパーツは少ないが、素材の性質を熟知してこそ、美しいナイフを作ることができる。
山本さんコメント
ブレードとヒルトがカチッとはまったときは、すごく気持ちがよかった。金属片がだんだんとナイフの形に近づいていくのがうれしくて、あっという間に時間が経っていました。
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