「カスタムナイフは左右対称が条件。刃の兩面はもちろんのこと、刃の部分とタング(ハンドル材を取り付けるためのなかご=芯)の重量バランスがとれていないと。そのため、ヒルトの部分からハンドルの尻に向かって薄くなるよう両面を削っていきましょう」
相田先生が山本さんに指導したのは、フルーテーパードタングと呼ばれるスタイルで、ラブレス氏が考案。わずかな重みの差だが、刃とハンドルがグッドバランスだから使いやすさが断然違う。
テーパーを付ける工程が終わったら、いよいよナイフの命である刃を削り出す作業へ。ベルトグラインダーにあてる角度を微妙に調整しながら、慎重に刃を付けていく。ところが、山本さんの力の入れ方が均等ではないせいか、刃の面にはわずかに波打ってしまう。脇で見ている相田先生が直すポイントを指摘し、さらに削り出していくと、見事に鋭い切っ先の刃がようやく完成した。
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刃を薄く、平らに、思い通りのラインで削っていくのは高度なテクニック。相田先生にチェックしてもらいながら刃を付けていく。
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山本さんコメント
ナイフである以上、刃の部分が命なので、刃を付ける工程が今回一番緊張したし、ワクワクした作業でした。けれど、なかなか思い通りにはいかないものですね。頭でイメージした通りに手と指を動かしているつもりなんだけれど、全然違った方向に削れていってしまうんです。
相田先生より一言
削り出しの感覚がなかなかつかめないのは、削る面がベルトに接しているために目で確認できないからなんです。面白いもので、気になる部分だけをいじっていると、目指す角度からかえってほど遠くなっていくんですよ。各工程のはじめに戻って直していくと、狙いどおりの面が出せることが多いんです。
熱処理から戻ってきたブレードに、鹿の角のハンドルを装着して削り上げ、お手製シース(鞘)を作り上げたら、世界で一本だけのカスタムナイフが完成!
「相田先生の元でカスタムナイフ作りができるなんて、夢のような4日間でした。まさか素人の私が、ナイフを作り上げられるなんて考えてもみませんでしたから」
できあがったナイフを手にした山本さんは実にうれしそう。
「家に帰ったら、野菜を切ったりして、早く切れ味を試したいですね。ナイフは道具ですから、眺めるだけでなく、大切に使っていきたいです」
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相田先生より
ナイフは人類が火の次に手に入れた道具の一つ。人類が誕生してから、なくてはならない道具として使い続けられてきました。石器、青銅器、鉄器と進化し、ステンレス全盛の現代でも、ナイフの形状は先史時代から、さほど変わってはいません。それだけ、道具として完成されたデザインなんですね。
私が考える理想のナイフとはあくまでも「切るための道具」として正しく立脚したもの。なぜなら、究極の機能美はプラスマイナスゼロのデザインから生まれるからです。私は30年にわたってカスタムナイフ作りをしていますが、未だに満足したものを作れたことはありません。師匠のラブレス氏も同じでしょう。カスタムナイフ作りにはゴールがないからこそ、面白いんですよ。
株式会社風の旅行社・風カルチャークラブ
お問合せ先:0120-987-553(東京)
http://www.kaze-culture.com/index.html
相田工房 相田義人先生のホームページ
http://www.riverside-land.com/
山本さんが参加しているコース
その他のコース
(更新日:2006年11月08日)
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