「今日は作品の展開例と作品の鑑賞のポイントについてまとめたプリントを配ります」と、高木先生。この講座では2時間の講義の間にかな書上達のためのアドバイスがちりばめられていて、書く力だけでなく自然と鑑賞眼が身につけられる。書展に出品された書家の臨書展開例(レイアウト例)を20点ほど提示し、生徒たちが作品作りに応用できるように、高木先生お手製のプリントが配布された。
「かな書の面白さは、美しく流麗な文字を書くだけでなく、紙の上に墨の濃淡やかすれ、文字の大小などを意識しながら文字をどう配置し、バランスのよい余白を作るといった、空間構成にもあるんです。この構成の力をつけるには多くの作品を鑑賞することが大事。そこで私の講座では、作品鑑賞のポイントも併せて提供するように工夫しています」
高木先生は数多くの書展に出展し、受賞経験も豊富。第一線の書家の視点を目の当たりにすることができる。
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「こうした折帖(おりじょう)古典の文字を集めて資料を作り、作品制作にいかすといいですね」(高木先生) |
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進藤さんコメント
この講座を選んだ理由のひとつは課題が多かったから。そのほうが上達は早いかな、と。提出するのは2点だけれど、半切(135センチ×35センチの紙。条幅ともいう)と普通の半紙の両方の課題が出されるので、かなを書く楽しみが広がりますね。
前回の講座終了後から1カ月間で新しい課題を制作。これを持参して、高木先生が生徒一人ひとりに対して指導をしていく。いよいよ番が回ってきた進藤さんは、やや緊張しているよう。
「出だしが大きすぎたから、全体に重くなってしまいましたね」と、高木先生。進藤さんの作品を見ながら、注意すべき点を盛り込んだお手本を書いてもらう。かな書を始めてまもない進藤さんは書き順が間違っていた。そこで高木先生はわかりやすく筆運びを実演。
「かな書は現在の平仮名ではなく、さまざまな文字を使うことができるんですね。たとえば『な』を元の漢字である『奈』と書いてもいいし、『那』や『難』」を使ってもいい。作品全体のバランスを見ながら、字を組み合わせる自由がある。それに、あまり知られていないことですが、たとえば短歌ならば五・七・五・七・七といった固まりを、構成を美しくするためならば途中で切ってしまってもいいんです。そういった意味で、かな書はパズルのようなところがあり、文字を使った知的な遊びでもあるんです」(高木先生)
進藤さんコメント
この講座に参加して、いちばん感動しているのは私のためだけに、一流の書家である先生がお手本を書いてくれて、しかも、それを持ち帰れる点。みな同じ短歌や俳句の課題を書いてくるのだけれど、先生がその場で書き上げるお手本は、生徒によって異なる。直すべき書きぐせや解釈を浮かび上がらせるんです。それに間近で筆運びを見られるので、本当に参考になります。
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