
「こちらは全体に上品にまとまっていますね。結びの『秋の暮れ』の『の』がもう少し存在感があるとよかった。しみじみとする前にあっさりと日が暮れてしまったようです」
30名近く講座に参加していても、高木先生は壁一面に張り出された生徒の課題一つひとつを講評していく。字の上手下手といった生徒の技量より、課題をどうとらえて、どう解釈し、どう表現しようとしているかのプロセスを読みとっていく講評だ。進藤さんは参考になる講評をメモに取り、次回にいかそうとしていた。
進藤さんコメント
まだまだ下手なので自分の書を張り出されるのは恥ずかしいのですが、全体講評は力をつけるのに役立っています。自宅や事務所で課題を書いているときは、まねをするだけで手一杯。でも、講評を聞くと、なぜここでかすれさせたほうがいいのか、どの連綿(※)を選ぶのか、なぜ斜めにして動きをつけるのか、すべてに作者の意図が隠されていることがわかる。先生の解説がないと、ここまではわかりません。

36年ぶりに再開した書道。中でも、かな書に出合えたのは幸運でした。最初は漢字の楷書の通信講座からスタートしたけれど、流麗なかな書は、書いていて実に楽しいんです。小学生のころに熱中した書道より、ずっと楽しい。なんというか、のびやかな線を書くのって心地よいものなんですね。これは今までにない感覚でした。
書は体力がなくても、いつまでも続けられる趣味。なかなか上手にならなくてもどかしく思っても、奥が深いからもっと極めたいという気持ちにさせる世界。これからも、高木先生の講座に通い続けたいと思っています。
高木厚人先生より
かな書を学ぶとは、ふたつの技術を身につけるのが目標です。ひとつは、美しい文字を書く技量。そしてもうひとつが、美しい空間を構成する力です。
美しい文字を書くには練習を重ねる必要がありますが、「中務集(なかつかさしゅう)」や「本阿弥切(ほんあみぎれ)」などの古典の文字を集めて、切り張りをしながら、あれこれ空間構成を作り上げる努力も必要です。感情のままに筆を運んだように見えますが、実は筆をとる前に何度も配置を考え、使う文字を選び、草稿を練っていく。とても精緻な作業の積み重ねなんです。こうした資料作りもかな書の楽しさであり、構成や空間に対する柔軟な発想が知的好奇心をくすぐるでしょう。
墨と文字だけなのに、ゆたかな表現が可能なのがかな書。これまでの書に対する偏見を捨てて、この美しくも知的な遊びを知ってほしいですね。
萱原書房《書統》カレッジ
お問合せ先:「書統」事務局 03-3462-5251
進藤さんが参加しているコース
その他の《書統》カレッジの講座
(更新日:2006年11月22日)
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