90分のレッスンは、ストレッチ30分、基礎練習30分、休憩5分をはさんで、発表会用の演目の練習を25分というタイムテーブルになっている。ストレッチにたっぷり30分かけるのは、筋肉を傷めないためだ。
「まったくの初心者が参加するビギナーコースでも、かなりの運動量。いきなりたたき始めると、筋肉を痛めることがあるし、翌朝、ひどい筋肉痛になってしまいます」と先生。元体育教師だけあって、ストレッチが終わるころには、じんわり汗をかくほど、ストレッチ体操は各部の筋肉をきっちり伸ばす組み合わせになっている。
このストレッチ体操は本当に大事。「ドラムをたたいているから、筋肉痛になるわけがない」と高をくくっていたら、翌日、きっちり筋肉痛に(笑)。ストレッチをすると、太鼓をたたく動きがスムーズになるだけでなく、体調にも好影響が。かなり体が軽く感じられるようになりました。
「それでは、<一発打ち>の練習を始めまーす!」
先生のかけ声がかかると、丹田(たんでん)に力をこめて背筋を伸ばし、腰をすえる。足に根っこが生えたように、しっかり地面を踏みしめないと安定したリズムを刻めないからだ。
「ハッ!」と先生から威勢のいいかけ声ともに、高く上げたバチを太鼓に打ち下ろす。「腕の重みを使って、自然に打ち下ろしましょう。腕でたたこうとしないでくださいね」と先生のアドバイス。腕の力でたたいたときと、自然に重みで打ち下ろしたときとは音が全然違うから面白い。
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バチを天にむかってスッと伸ばすと、背筋がシャンとする。 どこか武道に通じるかまえ。 |

最初はかけ声の間隔は広め。太鼓は音だけでなく、パフォーマンスとして見せる動作も重要なので、フォームを崩さず打つトレーニングになっている。
「ハッ!」のかけ声で1回ずつ打ち下ろすが、ひとつの音に聞こえなければならないのに、音がそろわない。「気持ちを、下に下に、と意識して持っていって! 腕を振り上げることばかり意識すると、肩が上がって拍がそろいませんよ!」
先生がそうアドバイスを重ねていくと、音がだんだんとそろってきた。「ドオゥン」と全員の音がそろったとき、教室の空気が大きな波のように揺れた。
音がひとつになると、「ハッ!・・ハッ!・・ハッ!」と、かけ声の感覚をだんだん狭めていき、だんだんとペースを上げ、最後は連打に。体が温まってくると同時に、太鼓のリズムがのってきた。
右はすぐに音が合うのだけれど、左が難しいですね…。右に比べると筋力がないせいか、ついバチを振り上げるほうに意識がいってしまうんですよ。それと、フォームを意識すると、音が合わなくなり、音を意識するとフォームが決まらなくなる……なかなか思うようにいかないから、かえって面白いのかも。たたくという動作は簡単なようで、奥が深いです。
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