
「世界でもっとも有名な作品のひとつである『印象・日の出』ですが、これに至るまでモネはさまざまな試みを行ってきました。印象派としてのモネの画風が確立するまでの変遷を追っていきましょう」
ウインター先生は資料を配りながら、本日の講義の概要の説明を始めた。ご存じのとおり、印象派の名前の元になったのがモネの「印象・日の出」。発表されたのは写真家ナダールのスタジオで、モネだけでなくルノワールやドガなど後に巨匠と呼ばれる若き画家たちが独自に開催した展覧会だった。これは後に第1回印象派展と呼ばれ、当時は不評ではあったものの、権威の象徴であるフランス官展(ル・サロン)とは違う、異色の作品が並んだ画期的な展覧会だった。
プリントには、作品のタイトルと制作年、所収する美術館名が記入されているので、講義のテキストとしてだけでなく、保存しておけば海外での美術館めぐりに役立ちそう。
モネの作品を時代順に観ていくと、いかに点描表現が変わってきたかがよくわかりました。最初は一部でそれまでの絵画とは違う描き方をしていたものが、「印象・日の出」のように全体がモネ独自のスタイルになっていったんですね。

「この『昼食』は以降のモネの作風を理解するうえで、とても重要な作品です。左端にある庭木は往年のモネの庭のスタイルを彷彿(ほうふつ)させますし、コーヒーポットの描き方はそれまでにはない画期的な手法が用いられています」
先生はまず絵全体をスライドで見せた後、鑑賞に重要な部分をズームアップして解説をしていった。
「昼食」に描かれているのは、最初の妻・カミーユと息子のジャンと過ごした、アルジャントゥイユの家の庭。あふれる太陽の光が影とのコントラストで強調され、家族との平穏なひとときを見事に切り取った作品。また、「印象・日の出」で確立され、「睡蓮」などに受け継がれていくモネ独特のスタイルが、そこかしこに見ることのできる、西洋美術史で重要な作品のひとつ。
クロード・モネ「昼食」 |
Image Plan |
作品には必ず歴史があるんですね。今日学んだ「昼食」を鑑賞して、モネの成長ぶりがよくわかりました。僕が感動した「睡蓮」で描かれる水や光の描き方の原点が、この作品にあったのだと思うと、感慨深いです。
※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Netscape7.0以上、Firefox 1.0以上、Macintosh Safari 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。