「座るときは、まず羽織の裾(すそ)を後ろにさばきます。手を合わせる位置は、背中をまっすぐ伸ばして頭を下げたところより、ちょっと遠目に。そうすれば、美しい座礼になります」
正座して礼をする「座礼」がスタートの合図。さっそく先生から、きものを着たときの所作ふるまいのコツが学べるのも、この教室の魅力。
きものと洋服では、体の動かし方がずいぶん違うんですよ。毎日、きものを着ている先生だから、そういう所作ふるまいまでアドバイスができるんですね。家できものを着るのときに大いに参考にしています。
先生が着付けの見本を示し、生徒がまねをする。上手にできないところを、先生と助手がマンツーマンで教えていくのがこの教室の指導スタイル。
「長襦袢と長着の背縫い線(背中の真ん中で縫い合わせている線)をしっかり合わせてください。こうやって奴(やっこ)のようにぴんと袖をはると、自然に中心にきます」と先生。きものの着こなしの土台となるのが、長襦袢。長襦袢をきちんと着ていると、その上の長着も自然と正しい位置に収まるのだ。正月休みをずっときもので通した浅井さんは、お手のもので、他の生徒さんより素早く、あっという間に腰紐を締めていた。
「ズボンと同じ位置で締めてはダメですよ。腰紐というぐらいですから、腰骨の上で締めないと」
浅井さんの締めた位置はばっちり。適度に恰幅(かっぷく)がいいから、腰紐が収まるべきところに収まるのだ。ここがビートルズ世代が若者に一歩リードしているところ。
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「今日は袴(はかま)を着ますから、これまでと違って帯を締める前に裾をはしょります。こうやって裾を蹴り上げてつまむと、粋なんですよ」
先生は着付けの定石以外に、粋な男衆のきもの着方まで教えてくれるので、洋服とはまた違ったおしゃれ心に火をつける。
「先生、これでいいんですか?」と、初めての経験に戸惑う浅井さん。参加人数が4人だから、聞きたいときに気軽に聞けるのがいい。
着流しのときの帯の結び方は「貝の口」。浴衣のときの結び方と同じなので、生徒たちもあっという間に習得した。だが、袴用の結び方はちょっと複雑な結び方なので、浅井さんも最初はちょっと戸惑い気味だった。
「締め上げるときに下はきつく、上に少々ゆとりがあると座ったときに楽ですよ」と、浅井さんの帯に指を入れつつ、ちょうどいい締め具合を先生が伝授。
袴用の帯の結び方は少々苦戦しました。「貝の口」なら、前に持ってきて手元を見られるので、もうするすると結べるんですけどね。けれど、袴姿のほうが着流しより一段格上ですから、なんとか習得したいと思っています。実は、古着の紋付き袴を手に入れたんですよ。帰ったら、忘れないうちに練習します。
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