1日集中で日本酒のことをさまざまな角度から学ぶため、20〜30分刻みで講義が進む。次々にエキスパートである講師が登場。

講師:末廣酒造 製造部長兼研究室長 金谷清明さん
野口英世との関係も深かった、会津の末廣酒造。伝統的な手法を守りつつ、先端の醸造技術で銘酒を送り出す酒蔵の製造トップが、写真とともに酒造りの過程を解説。要所に、醸造法の進歩により、酒がさらにおいしくなってきたエピソードが入る。たとえば、「山廃仕込み」とは「山おろしを廃した醸造法」という意味で、通常酵母の2倍以上の手間と時間をかけて酵母を作り出すため、旨味(うまみ)がより深くなる手法なのだとか。

講師:元東京国税局鑑定官室長・日本酒造組合中央会理事 秋本雄一さん
酒造りに欠かせない、米づくりと水選びについての講義。食べる米とはまったく違う、山田錦や五百万石など酒造好適米の話は興味深い。また、水のおいしいところにしか銘酒が生まれない理由も納得。米はどこからでも購入でき、酒造技術は優秀な人材次第で、気候は人工的に環境を整えることが今の技術では可能。だが、水、つまり酒造りのための井戸は動かすことができないから、日本酒はどこででも造れるものではない。酒造りの根本を知る講義。
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↓手前が酒造好適米の山田錦。コシヒカリなどより大粒で稲の背が高いため生産に手間がかかる。
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このほかにも、時代ととともに変化してきた日本酒の歴史や、日本酒が体に与える影響、特徴によって使いわける酒器など、10以上の講義が続いた。酒販店や飲食店で日本酒を扱うプロ養成の講習会だが、家庭で応用できる「プロの技」と知識が得られる。
日本酒の造り方や飲み方だけを学ぶと思っていたら、予想外に講義内容が幅広くて、聞き入ってしまいました。日本酒はワイン以上に、自然と寄り添った飲み物なんですね。
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