乗馬というと、敷居の高いイメージがある。
だが、年齢や経験に関係なく、馬と存分に過ごせる乗馬クラブが東京・国立にあった。
馬に乗るだけでなく、馬の扱い方全般を習いながら、時には多摩川を人馬一体になって旅することもできるのだ。

矢沢三郎先生
(やざわ・さぶろう)
1973年に国立乗馬クラブを設立。以後、34年間に渡り、競技乗馬ではなく、それぞれの体力に合わせた安全な乗馬を指導。練習に使用する馬はすべて同クラブが所有し、矢沢先生らが調教。またリバーシビックマネージャーとして、多摩川の自然環境や防災のパトロールも行う。

本多雅敏さん
(ほんだ・まさとし 42歳)
本多恵さん
(ほんだ・めぐみ)
夫の雅敏さんは7年前から、妻の恵さんは正敏さんの楽しげな姿に触発されて一年遅れで国立乗馬クラブに入会。土曜と日曜は朝9時から18時までクラブで過ごし、1日4鞍(くら)(45分×4回)の騎乗をこなす、クラブで頼りにされる熱心な会員。1年に1回は多摩川での外乗に夫婦で参加。

夫の雅敏さんは無類の「草食動物好き」。以前から馬の世話もできるなら、乗馬を習いたいと思っていたが、なかなか見つからなかった。
「ほとんどの乗馬クラブは馬の世話や鞍付けはスタッフの仕事で、会員は準備された馬に乗るだけなんです。僕は馬を扱える人になりたかった。だから、世話もできる乗馬クラブをネットで探して見つけ出したのが、今のクラブでした」
乗馬クラブというと敷居の高いイメージがあるが、国立乗馬クラブはまったく逆。樫(かし)の木で囲まれた馬場は、東京・新宿から40分のところにあるとは思えないほどカントリーな雰囲気。馬の世話や厩舎(きゅうしゃ)の掃除なども覚えられる、アットホームなクラブなのだ。
「私が始めるにあたって気になったのは安全面。馬のことを知りぬいた先生がいつも目を光らせていて、安心して馬に乗れますから、慎重派の私も夫に続いて習い始めたんです」と、妻の恵さん。初心者でも乗りやすい北海道和種が18頭いるので、小学校低学年から70代まで体力とレベルに合わせた乗馬を楽しめる。

「小学1年生から60代まで、生まれて初めての人でも体力に合わせて馬に乗れる」というのがクラブの方針。そのため、乗馬に必要な道具もクラブにそろっている。高価な乗馬用ヘルメットやブーツなどを持っていなくても、長袖・長ズボンさえあれば、その日から馬に乗ることができる。
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