講座は全10回。毎回違うフィールドを歩きながら、森の成り立ちや動植物を体系的に学んでいく。今回のフィールドである生田緑地はこんもりとした森と湿地のある、観察にはもってこいの場所だ。
「みなさん、この木は何の木だかわかりますか? 北の丸公園でも見ましたね」と先生。森林インストラクターの試験でよく出題される樹木の前では必ず立ち止まって質問を投げかける。この積み重ねで自然環境への知識が深まっていく。

小嶋さんコメント
ハガキがなぜ「葉書」と書くのか、今日、多羅葉を知って納得。この講座に通うようになって、街を歩いているときも植物に目がいくようになりました。
講座で学ぶのは森の中に限ったことではない。住宅街を歩きながら、庭木や園芸植物にも触れていく。
「この生け垣は島倉千代子の歌にあるカラタチ。昔は住宅街のあちこちで見かけましたが、今ではほとんどなくなりましたね。鋭いとげが子どもたちを誤って傷つけると避けられるようになってしまったんです」
全国100カ所のフィールドに精通している先生ならではのコース設計だ。

小嶋さんコメント
先生と歩いていると、普段気づかないようなところに、様々な動植物が生息していることに驚かされます。カラタチも名前は聞いたことがあったけれど、こんな形をしているなんて知りませんでした。
ゆるやかな起伏にとんだ生田緑地は自然林、湿地、ホタルの住む水場など、さまざまな生態系が観察できる場所。木道で結ばれた湿地帯にはハンノキなども生えている。
「これは山桑ですね。黒く熟れた実は甘いですよ」
養蚕用の桑に比べて葉も実も小さいけれど、実を口にふくむと素朴な甘さが広がる。

「みなさん上ばかり見ないで下も見てみましょう。木道の枠にある模様は何だと思いますか?」
うっすらとついた唐草状の模様は、かたつむりが木枠に生えた苔を食べた跡なのだとか。

先生は小さな虫も見逃さない。さっとつかまえて、ルーペ付の瓶に入れて生徒たちに見せてくれる。
「これはオオヒラタシデムシ。動物や昆虫の死骸を食べる、いわば森の掃除屋。こういう虫がいるから森は豊かでいられるんです」

小嶋さんコメント
雨が降った翌日のせいか、水たまりでたくさんの昆虫を見ることができました。毎回、いろいろな昆虫を教えてもらうのですが、なかなか覚えきれません。

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小嶋さんコメント
これまで5カ所のフィールドで講座を受けましたが、同じ木でも生えている場所や日の当たり方で違って見えるんです。最初は同じ木だとは思えなかったけれど、先生の説明を聞くうちに、だんだんと見極められるようになってきました。