バレエのレッスンはバーを使っての「バーレッスン」とスタジオのフロア全部を使って行う「センターレッスン」の二部構成になっている。基礎練習であっても音楽がかかると、スタジオ全体が一気に熱を帯びる。
手と足の基本の動きを一つひとつ丁寧に練習するのが、バーレッスン。「プリエ、プリエ」と、先生の声に合わせて基本の型をなぞっていく。
「お腹を押し上げるようにして!」と、正しい姿勢で「立つ」ためのアドバイスが飛ぶ。
「バレエの基本中の基本が正しく立つこと。バーレッスンで、身体に軸を一本通し、お腹を引っ込めて、頭をすっと伸ばすと大きく美しい踊りになります」(境先生)
フロア全体を使ったセンターレッスンでは、大きなステップやジャンプなどを組み合わせた動きを練習。バーレッスンでゆっくり身体を温めた後なので、末口さんの動きもだんだんと大きく、のびやかになっていった。
「ツーステップは地上で、アラベスクは天に向かうように!」
アラベスクとはバレエの基本的なポーズで、片足で立ち、足を伸ばして後方に上げるもの。ツーステップを3回繰り返し、最後をアラベスクで決める一連の動作を繰り返す。
「足に体重をかけない! 意識を上へ、上へと持っていき、よりきれいな動きにしていきましょう」
先生が手を打つリズムに合わせて、生徒たちの動きは重力が小さくなったような、軽やかな動きに変わっていく。
末口さんコメント
バレエのレッスンでは、恥ずかしいくらいできないことの連続。5年続けていても、まだトウシューズでは立てないし、足をまっすぐにして高くジャンプすることもできません。でも、できないことが多いからこそ、日々、いかに自分がおごりたかぶっているかを気づかされ、素直な気持ちに戻ることができるんです。
末口さんらは8月4日の発表会で「オリエントの風」を踊る。風をうけて船出する、トルコの大船団をイメージした振り付けの演目だ。そのため、1時間半のレッスンを終えた後も居残り、境先生と鈴木先生から指導を受けている。相当な運動量だと思うのだが、疲れている感じはうけない。むしろ、動きのキレがよくなっている。
「もっとあごの角度を上げて! そこで、すぐに顔の向きを変える! 腕は肩胛骨(けんこうこつ)から伸ばして、大きな動きに!」
バーレッスンやセンターレッスンはバレエの基本の動きを繰り返すが、発表会用のレッスンはバレエの「表現」を学んでいく。境先生も鈴木先生も現役バレリーナとして、松山バレエ団の舞台に立っているから、表現指導が実に的確。先生のアドバイスで、踊りが見違えるように変わっていった。
末口さんコメント
プロの先生から、バレエの表現を直接学べるのはとても幸せなこと。しかも最終の通し稽古では、世界トップクラスのアーティストである、清水哲太郎先生が直々に演技指導をしてくださるんです。バレエの動きはとてもハードに見えるかもしれませんが、踊っていてつらさを感じることはない有酸素運動。むしろ時間がたつほどに呼吸が落ち着いてきて、気持ちよくなっていくんです。

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Netscape7.0以上、Firefox 1.0以上、Macintosh Safari 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
末口さんコメント
かつては病気スレスレでしたが、バレエを始めて体重は5キロ減、今年の健康診断では血管年齢28歳という診断でした。大きく腕を動かすせいか、五十肩とは縁がありません。