落語は日本人の「笑い」のベースとなるもの。
最近、落語が再び注目を集め、演芸場には大勢の人が訪れるようになってきた。
噺(はなし)を聴くのは楽しいが、人前で「話せる」ようになると喜びはもっと大きい。
そこで、真打ちがアマチュアに直接手ほどきする、落語教室を訪ねた。

三遊亭圓王師匠
(さんゆうてい・えんおう)
高校時代から落語を始め、大学の落語研究会を経て、1977年、三遊亭圓窓に入門。国立大学理学部出身という、異色の経歴の持ち主。後に三遊亭円弥門下に移籍。1995年に真打ち昇進を機に、三遊亭圓王に改名。古典落語を得意とし、年2回「圓王百席」という名で独演会を続けている。落語の歴史やしぐさの意味などの造詣が深く、楽しく、わかりやすい指導が人気。


平井幸雄さん
(ひらい・たかお 64歳)
若い頃からの落語好き。日立製作所在職時代に同僚と落語研究会を立ち上げ、建久亭馬家(けんきゅうてい・うまや)の名で「日立寄席」で数々の高座を経験。退職後は「三遊会」に参加し、以後、三遊亭圓塾(えんじゅく)を名乗る。その他、NPO法人シニア大樂(だいがく)、東京スピーカーズクラブに講師登録し、講演活動も行っている。

「もともと落語は聴く専門だったのですが、日立製作所時代に隠し芸で落語を披露したら、意外なことに大ウケ。それから、独学で古典落語を覚えるようになりました」と、話す平井さん。とはいえ、現役時代は仕事漬けの毎日で、稽古の時間がなかなかとれなかった。
「第2の人生のテーマは『笑い』と決めていました。時間のたっぷりある退職後は、落語にもっと磨きをかけたいと思い、真打ちである圓王師匠が直接指導してくれる、三遊会に参加したんです。落語の歴史や背景を学ぶ講座はありますが、噺を教えてもらえる教室はほとんどないですからね」

落語のお稽古ではしぐさを学ぶことも重要なので、生徒は浴衣に着替えて受講。洋服とは体の動きや表現が微妙に違ってくるからだ。また、欠かせない小道具は扇子と手ぬぐい。この2つが、時には箸になったり、財布になったりと、聴く側のイメージをふくらませる。

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