羽賀さんが制作しているのは、タミヤの1/48「ブリュースター F2A2 バッファロー/BREWSTER F2A2 BUFFALO」。第2次世界大戦の前半、複葉機から単葉機に移行する時代に生まれたアメリカ海軍の戦闘機だ。本体の組み立てが完了し、迷彩色の下塗りまで終えた。今日は翼のマーク(デカール)を張り付けるステップに進む。集団で講義を受ける形式ではなく、それぞれのペースで制作を進め、要所要所で先生の指導を仰ぐ。
「本物にいかに近づけるかがポイント。設計図(組み立て説明書)を何回も見ながら、デカールを張る位置をチェックします」と、羽賀さん。出来上がりを思い描くと、つい笑みがこぼれてしまう。
プラモデルの表情を決めるのが、デカール。失敗は許されないから緊張する。まずは、輪郭に沿って丁寧に切り取り、しわができないように曲線のボディーになじませるため、水にいったんぬらす。その後、完成図を見ながら正しい位置に張っていく。大人のジオラマ教室は、半年から1年間の完成までの過程を楽しむのがモットー。じっくり時間をかけて、納得できる作品づくりを目指す。

羽賀さんの隣の人は、子どもの頃の懐かしい風景、実家の氷店とオート三輪を組み合わせたジオラマを制作中。車好きの人は、エアブラシでペイントを行っている。それぞれ違うものを作っているが、同じ趣味を持つ仲間との会話も、講座に通う楽しみの一つ。その会話を聞きながら、先生が絶妙のタイミングでアドバイスをしていく。
「表面が滑らかでないと独特の質感は出ないんですね。乾く前に重ね塗りをしてしまうと、表面にでこぼこができてしまい、照りが生まれないんです」
先生の教え方はきちんとした裏付けがあるから、自宅で制作するときに応用できる。
先生が仲間にアドバイスしている間も、「その模型はどこで見つけたんですか?」「今度の展示会に出展しますか?」など、自然に情報交換。その間も、みんな模型から目を離さず、手を休めない。模型作りに熱中しているのだ。
羽賀さんコメント
月2回の講座に通うのが、今の一番の楽しみ。通い出す前は仕事の仲間しかいなかったけれど、同じ趣味も仲間が増えました。まわりが進んでいるのに、後れをとるのはちょっと悔しいので、土日の昼はラジオを聞きながら、プラモデル作りに励んでいます。
プラモデル単体ではなく、ジオラマまで指導するのが先生のスタイル。習い始めて3カ月の羽賀さんは、木の土台にBUFFALOを設置して、ミニチュアの飛行機乗りを配し、先生のアドバイスで真鍮(しんちゅう)製のプレートも付ける予定だ。少しでも進めようと自宅で飾る台のニス塗りをしたが、色ムラができてしまった。
「サンドペーパーのかけ方が足りなかったみたいですね。もう一度、きれいにニスをサンドペーパーで落としてしまいましょう。その後、オイルステインをかけてからクリアのニスをかけると美しく仕上がりますよ」
小学校の低学年からプラモデル、ジオラマ制作をしてきた先生。体験で得てきたテクニックを直接教えてもらえるから上達が早くなる。何より、美しい仕上がりになっていくのが、制作の面白さを倍増させる。
羽賀さんコメント
一人で作っていたときは、本やインターネットでテクニックを調べたのですが、どうもうまくいかず、途中で作るのをやめてしまったんです。でも、先生のアドバイスは「なるほど!」と思えるものばかり。何でもそうなんでしょうけれど、一流の先生に教えてもらうと、作るのが面白くなるし、完成させる意欲がわいてきます。
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羽賀さんコメント
講座に通うようになってから、どういう手順で制作するかをイメージしながら作るようになりました。ラッカー仕上げの順番を間違えると、仕上がりがいまひとつになってしまうんです。