今日の授業のテーマは、江戸前の代表的な魚、穴子をさばき、煮穴子の握りと巻物を覚えること。穴子の骨はうなぎと違い、内臓近くの骨が三角形になっていて、包丁運びがとても難しい。骨の形に合わせて数ミリ単位で包丁の動かし方を変えなければならないが、先生、キリキリと骨が外れる小気味良い音をさせつつ、1匹45秒程度でさばいていく。
「目とヒレの間に目打ちを打ち、身の半分から肛門あたりまでは、包丁の角度を45度にして、押し切ってください」と、軽がるとさばきながら説明する先生。ところが高畠さんは、ヌルヌルとすべる穴子に大苦戦。さばいていく工程の多さにも戸惑っているようだ。 「さばくときに塩を手につけて押さえると、滑らず穴子を押さえることができますよ」と、先生がすかさずアドバイス。

高畠さんも苦しんだ穴子のヌメリは、そのままにしておくと早く傷んでしまったり、煮たときに生臭さが残ってしまったりするので、下ゆでするまえに塩もみをする。このとき、塩をたくさん使いすぎると、身がしょっぱくなってしまうので注意。皮を入念に塩もみし、内臓や血合いは残さず洗い流し、ヌメリを包丁でしごく。これを2回程度繰り返したら、熱湯でさっと下ゆでする。これで、下処理が完了。

高畠さんコメント
こういう職人仕事は、実際にやってみないとわからないものですね……。それに、寿司職人さんというと、口より手が先に出るような怖いイメージがありましたが、先生は気さくでやさしい。教え方も素人でもわかりやすく、なぜ下処理が必要なのかなど、「仕事」の理由もきちんと説明してくれるので、納得できます。

穴子が煮える間、前回の復習を兼ねていよいよ握りの練習。1貫のシャリの目安は、18〜20グラム。毎回計りに乗せて、決められた量をとることができているかをチェック。
「寿司職人はおいしく握るのは当然のこと。お客さまの前でかっこよくキレイに握ることも大切。はすに構え、胸の辺りで握るとかっこよく握れますよ」と、実演してくれる先生。
みんなが手酢をつけリズミカルに握る中、まだ3回目の高畠さんはちょっとぎこちない。先生の手の動きをじっと見つめ、一つひとつ確認しながら握っていく。
好きなネタで一人前握ったところで、お昼休憩。
「まだまだシャリの大きさも形も不ぞろいですけど、自分が握った物を食べながら仲間と授業の振り返りをするのも楽しみなんです」と、高畠さん。

高畠さんコメント
今まで寿司を食べに行っても、どうやって握っているかなんて気にもしなかったんですが、習い始めてからは、やっぱり職人さんの動きが気になりますね。早くかっこよく握れるようになりたいですね。

昼食が終わったら、いよいよ今日のメーン、煮穴子を使った握り、穴キュウの細まきと裏巻きの練習に入る。
巻物の練習に役立つのが、キッチンタオルと割りばし。キッチンタオルはのりに、割りばしは具に見立てて、初の巻物練習を開始。シャリを端から押し出して平に敷き詰め、ひと巻きしてぎゅっと締める。その後、もうひと巻きして締めれば完成。このとき、具がシャリからはみ出ず、ノリ・ご飯・具のきれいな三層ができれば合格! だが、練習ではうまくいったのに、本番ではシャリと具になる穴子ときゅうりのバランスがとれず、細巻きがパンクしてしまった。
「初めての方には、細巻きは難しいのです。具が入ったときのことを考えてシャリをのせないといけません。初心者の方には裏巻きの方が簡単でおすすめです」と、先生が裏技を披露。裏巻きはシャリが外側にくるため、素人でもパンクせずにきれいにできるのだとか。なるほど、海外の寿司店でカリフォルニアロールなどの裏巻きがはやっているのには、こうした理由があったのだ。

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高畠さんコメント
穴子は思った以上にヌルヌルしていて、アジやサバのようにはいかないですね。「包丁の角度を45度に保って!」と言われると、なぜか自分の体が45度に(笑い)。でも、うまくできないと、先生はすぐに脇で実演してくれます。プロのコツを身近で学べるのがうれしいですね。