どらく読者では青春時代からラジオドラマに親しんだ人が多いのではなかろうか。
声だけで表現しているのにもかかわらず、目の前にその作品の情景が浮かび上がってくる朗読の世界は、思いの外に奥が深いもの。
そこで、美しい日本語の話し方と文学の魅力の両方が学べる、朗読教室を探訪した。

山口正道先生
(やまぐち・まさみち)
元文化放送ドラマ・プロデューサー。在局中はドラマやラジオ小説を担当し、フリーランスになった後も朗読教材やオーディオテープを多数制作。正確な日本語と語り口だけでなく、作品成立の背景や主題も詳しく解説。より作品を深く理解し、味わいながらの学ぶ朗読指導が人気で、長期受講する生徒多数。


小島敏光さん
(こじま・としみつ 54歳)
現役の小学校教員。「もっと世界を広げたい」と山口先生の朗読教室に参加。主に古典作品を声に出して読むことで、知らない言葉を理解したり、時代性などが伝わってきたりして、朗読の面白さに魅了される。朗読以外の趣味はジョギングで、江東シーサイドマラソンなどにも参加するスポーツマン。

「朗読教室に通い始めるきっかけは、小学校教員という仕事が関係していました。専攻が理科教育だったこともあり、文学作品にはあまり親しんでこなかったんですね。だから国語の授業の読み聞かせなどを通して、生徒たちに日本語や文学作品の魅力をもっと伝えられるようになりたいと思ったんです」と、小島さん。深みのあるテノールの声は、まるでプロのアナウンサーのよう。この声と語り口で読み聞かせの授業を受けたら、文学好きの子どもが増えたに違いない。
「始めてみたら、私自身が朗読の面白さにはまってしまって(笑い)。声に出して読んでみると、黙読より数段作品の理解は深まるし、新たな言葉を次々に知ることができます。まさに朗読と文学作品を通して、世界が広がっていく楽しさがあるんですよ」

この教室の大きな魅力のひとつは、自分だけではまず手に取ることのなかった文学の名作に触れられること。長年、ラジオ局でドラマ・プロデューサーを務めた先生だけあって、小説、詩、短歌や俳句などをえりすぐり、独自の教材を用意。そのため、教室には前の回に渡された教材プリントと筆記用具を持参するだけでOKなのだ。習い始めるにあたって、道具や教材の費用がほとんどかからないので、誰にでも始められる。

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