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大人のお稽古

声だけで表現する魅力的な世界 美しい日本語を読む朗読教室 最終講義ではプロスタジオで収録

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いよいよ教室がスタート!

順番に課題の作品を朗読し、
先生がテンポ良くアドバイスする

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今日の参加者は4人。2時間の授業でそれぞれが朗読する時間がたっぷり取れるので、力がつく

「では、順番に課題を朗読していきましょう」

この教室では、生徒が順番に課題を朗読していき、直すべき個所や大切に読まねばならない部分で、テンポよく先生がアドバイスしていく。今日の課題は、森鴎外の妹で小金井良精の妻、小金井喜美子の『鴎外の思ひ出』。『舞姫』のモデルになったエリスが鴎外を追って、単身で日本に来たときの顛末を描いた個所を読んでいく。

「そこの間はもう少しあけましょう。内容によって間の取り方が違ってきます。内容が改まるところでは、気持ち間を長めにして、出だしの声を張りましょう」と、先生。

朗読の目的は人に聴かせること。客観的かつ忠実に内容を伝えねばならないので、読む技術が求められる。先生は、長年ラジオドラマのプロデューサーだったプロ中のプロ。指摘されたアドバイスのとおりに直して朗読すると、内容がすっと頭に入ってくるようになった。

小島さんコメント

必ず事前に練習してから、教室に参加しています。間をどう取るかで伝わり方がずいぶん変わってくるので、どこで間をとるか、テンポを速くするかなど、赤ペンでチェックを入れておきます。

作品成立の背景を理解しながら読むと、
より聴く人に内容を深く伝えることができる

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今回の作品は以前に森鴎外の『舞姫』を教材で取り上げたことがあったので、緩急、間、声のトーン、アクセント、息継ぎ…を、一つひとつ意識して、丁寧に朗読する小島さん。それを聴く先生
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小島さんの教材プリントには、間をとる位置、注意したいアクセント、読み間違いやすい個所にはふりがななど、たくさんの赤字のメモが

いよいよ小島さんが朗読する番に。今回の課題の最後の段落であり、小金井喜美子がエリス離日の感想をつづる重要な個所だ。

「……それを見た時、噂にのみ聞いて一目も見なかった、人のよいエリスの面影が私の目に浮かびました」と、最後の一文を読み上げた小島さん。すかさず先生からアドバイスが入る。

「作品が終わることを伝えるために、読む速さをもう少し落としましょう。もう一度、読んでみてください」

小島さんが同じ個所を読むと、再び、先生がアドバイス。

「一番大切なことを際立たせるためには、作品成立の背景と文脈を理解し、それに合わせて強弱をつけることを意識しましょう」

こういうやりとりを繰り返すと、芝居のような感情表現は一切していないのに、作者のエリスへの憐憫(れんぴん)の情がひしひしと伝わってくるようになっていった。読む技術のある・なしで、伝えられることが大きく違うことに気づかされる瞬間だった。

小島さんコメント

朗読するとき、必ず作品成立の背景などを調べます。今回の『鴎外の思ひ出』で言えば、この教室で以前に学んだ『舞姫』で得たイメージ、登場人物や作品には書かれなかったエピソードなどを重ね合わせて朗読しました。

仲間の朗読を聴くのも上達のポイント
聴く側になって、よい朗読とは何かを考える

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それぞれの持ち味を損なわないよう指導していく先生。どの生徒ものびのびと朗読していく
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仲間の朗読を真剣に聴く小島さん。頭の中で自分の読み方との違いを比べたりする

最後の30分ほどは、次週から本格的に取りかかる小説家・岡本かの子の『雑煮』の出だしを読む。読み始める前に、先生が岡本かの子について解説。漫画家・岡本一平の妻で画家・岡本太郎の母。夫と愛人が同居するなど、奇妙な夫婦生活だったことや、彼女の作品の特長などを簡潔に話していく。課題の最初の一文の「維新前、江戸諸大名のご用商品であった……」という個所も、先生からの解説があることで、より作品に気持ちが入る。

「最初の一文なので力が入ってしまいますね。でも、出だしが強くなりすぎると、息が続かなくなって最後が弱くなってしまいます。日本語では意味を規定する言葉が文末にきます。この言葉を明確に読まないと、何を言っている文章かが伝わりにくい。だから、文末をしっかり読まねばならないんです」。先生のアドバイスを真剣にメモを取る小島さん。「なぜ、そう読まねばならないのか」の明快な説明があるから、回を重ねるごとに朗読の技術が上達する。

小島さんコメント

仲間の朗読を聞くと、「なるほど。そういう風に読むのか…」など、毎回、新鮮な気づきがあります。先生だけではなく仲間からも、読み方のヒントをもらったり、読み方の良さを学んだりできるのが、グループレッスンのいいところですね。

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