南から北へ、山から海へと豊かに表情を変えていく自然は、イタリアの魅力のひとつです。例えばローマからフィレンツェへの移動で通過するのは、ウンブリアとトスカーナという個性豊かな2つの州。緑濃い山岳地帯のウンブリアはオリーブ畑や森の中に中世の薫り漂う古都が点在する人気のバカンス地。トスカーナは、同じ緑でもイトスギの並木が印象的で、丘陵に広がる四季おりおりの田園風景にワイナリーや農家の建物が彩りを添えます。今回は、このウンブリアとトスカーナで出合える自然と古都をご紹介しましょう。

ウンブリア州の森の中、小高い丘に築かれた中世の街・アッシジ。人口2万5千人足らずの静かなまちには巡礼者の姿が絶えません。人々が目指すのは、聖フランチェスコの遺骸が安置されたサン・フランチェスコ教会です。ジョットの絵画「小鳥に説教する聖フランチェスコ」で知られる聖フランチェスコは、生涯、清貧と信仰に生きたカトリックの聖人。静寂の中、一心に人々が祈りを捧げる礼拝堂は、巡礼者ならずとも頭を垂れたくなる厳粛な場です。
「緑の宝石箱」とも称されるウンブリアの美を堪能するには、薄紅色の大理石で彩られるサンタ・キアーラ教会へ。教会や家並みの向こうには田園、そして森が彼方まで続きます。この宝石箱から生まれるのは、極上のオリーブ。特産のフルーティなエキストラ・バージン・オイルはウンブリアが世界に誇る逸品です。


シエナは、同じトスカーナ州に位置するフィレンツェと競い合うように発展した古都。モザイクと彫刻で飾られたファサードが圧巻のドゥオモは、シエナに花開いたゴシック文化の粋を集めた建築です。さらにシエナ市民が「世界一美しい」と自慢するカンポ広場、「世界一エレガント」と胸を張る市庁舎の前にたたずむと、12〜13世紀に最盛期を迎えたまちの喧騒が蘇るようです。
シエナから田園風景の中バスで1時間進むと、ルネッサンスのまち並みをそのまま残すサン・ジミニャーノに到着。この街は別名「美しき塔の街」「中世のマンハッタン」とも呼ばれ、最盛期には70あまりの石の塔が林立していました。現存する13の塔と石造りの家並みが織り成すまちの景観は、さながら石の芸術品です。


豊かな田園と森に包まれたトスカーナでの楽しみは、野趣あふれる地もの肉やキノコを使った料理。シエナ名物のサラミやソーセージ、トスカーナ名物のTボーンステーキ、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナなど、ご当地メニューも豊富です。ツアーでは地元の農家が経営する宿・アグリツーリズモのレストランにご案内。田園風景を望みながら味わうトスカーナ料理は、目にもおいしい現地ならではの美食体験です。
食卓を彩るのは、トスカーナの大地から生まれるキャンティやモンタルチーノなど芳醇な香りの赤ワイン。今回ご紹介した古都を巡るバス旅の道中では、これらのワインが生まれるブドウ畑の景観も楽しめます。

見どころが多い都市にじっくり滞在する旅もいいものですが、半日あれば十分回れる古都を巡る道中は、群雄が割拠し、華麗な芸術や趣あるまち並みを今に残した中世イタリアの都市国家群に思いをはせる意義深い旅。何よりも、温かく人懐こい田舎の人々との触れあいこそ、得がたいイタリア体験になることでしょう。

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ローマ、フィレンツェ、ベニスと巡りイタリアの歴史と美を満喫。アッシジやシエナなど中世の面影を残す古都も魅力です。旬の料理に貴重な遺跡と、たくさんの発見があるはずです。
ジャルパック

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