北に鞍馬山、東に大文字山、西に嵐山など、3方向をいくつかの山に囲まれた京都は、賀茂川や桂川の流れを集めながら南にゆるやかに傾斜する盆地です。この地形も手伝い、京都には良質で豊富な地下水が蓄えられ、人びとの暮らしを潤してきました。京野菜、豆腐、名酒、そして茶の湯の発展はこの名水抜きに語れません。秋から冬、まちがきりりと冷たい空気に包まれる季節にこそ似つかわしい、一席の茶事が名水のみやこで催されます。暮れなずむ夕刻から行われる茶事「夜咄(よばなし)」。手燭や行灯の明かりに浮かび上がる幽玄の世界、一夜の夢に遊ぶ旅をご紹介します。


親しき人を招き、心づくしの料理をふるまい、季節にあった道具で濃茶(こいちゃ)・薄茶(うすちゃ)でおもてなしする。茶事とは、この流れのなかで客人と亭主が一期一会の心の交わりを楽しむ演出です。季節や器など全てのものとの出合いを大切にする茶事においては、行われる時間も重要。昼ごろからの「午会(ひるかい)」がなじみ深いものですが、「夕去りの茶事」そして「夜咄」は夕暮れから夜にかけて移ろいゆく時間と、ほのかな明かりのなかすすむ茶事。心やすらぐ光と亭主のもてなしのなか、五感は研ぎ澄まされ、非日常の世界にいざなわれます。茶事の場としてご案内するのは、京都の閑静な町家の茶室・浄敬庵。亭主は、ご自身が夜咄の魅力に強く惹かれていると語る松本敬子さんです。


一期一会のひとときは、夕暮れどきの席入りからはじまります。亭主に迎えられた客は、湯を沸かすための炭をつぐ「炭手前」へ。シュンシュンと沸く湯の音、ほのかな香のかおり。幽玄の世界へと心が移ろうなか、「懐石」が供されます。ご飯と汁椀に向付、煮物、焼き物を添えた一汁三菜の膳は、亭主が旬の素材と季節にあった器で用意した心づくし。最後に出される菓子も評判です。
ほどよく空腹を満たしたところで、客は待合の席で休憩をとる「中立ち」へ。中立ち後の路地は夕闇に包まれ、暗闇に灯る灯籠や行灯が幽玄の世界へと誘います。客人の2度目の席入り、「後座(ござ)」から明かりは蝋燭(ろうそく)に切り替わります。ゆらめく明かりのなか客人は濃茶を回し飲みします。場を共有する連帯感と不思議な高揚感に包まれるなか、最後にお薄(薄茶)をいただき、一夜の夢は静かに締めくくられます。
さらに茶の湯の奥深さを味わいたいという方には、薄茶のあとに釜をあげ、香を焚(た)く「止め炭」まで体験できる茶人コースもおすすめです。


一般的に決まりごとが多い茶事ですが、いちばんの目的は「一期一会」を楽しむこと。亭主の心配りに従い、和やかに心を通わせるのが大切です。着物でも洋装でもかまいませんし、初心者の方もどうぞご参加ください。ご希望の方には正座用の補助イスもご用意いたします。
行き届いた心配りを実現するために1日1組、2〜5名さまの限定企画。日本の美意識と日本人のこころが凝縮された幻想の夜にどうぞご参加ください。

幼少より茶道に親しみ、複数の師のもとで学ぶ。さまざまな茶事の中でも「夜咄」に強く惹かれ、多くの人に素晴らしさを体験してもらおうと茶室を開いた。

はじめて夜咄を体験したとき、蝋燭の光のなかの静寂などに不思議な気持ちの高ぶりと感動を覚え、この体験をお伝えしたいと茶室を開きました。一期一会の心の交わりを大切にさせていただきたいと願っています。時間に追われたふだんの暮らしを忘れて、ゆっくりと時間の流れを見つめなおしてください。準備からご案内、席の進行までひとりでがんばってやっていますので、時間通りのご到着など協力をお願いすることもあります。それもまた皆さまにすばらしい茶事をご体験いただくためのおもてなしとして受け取っていただければと思います。

価値ある本物に出会う日本の旅。五感に訴え、感動を呼び起こす旅。
旅のよさを知る大人に満足いただける、そんな旅をめざし生まれたのが「旬感旅行」です。
その時期、その地域でしか見たり味わったりすることができない旬をご案内。現地ではテーマを深く追求するための専門家や達人がご案内します(一部コースを除く)。添乗員や専門家とのコミュニケーションを深められるよう各コースとも定員を設定、もっと旅を楽しみたい方のために、帰路便は2日間延長もできるようにしました。
旬感旅行にご参加いただくためには、JMB(JALマイレージバンク)会員への登録が必要です。下の「ツアー詳細はこちら」から旬感旅行の「行程表・お申し込み」画面に進むと、JMBへの入会申し込みができます。会費は無料。ツアーに参加するとマイルが加算され、インターネット予約なら300マイルをプレゼントしています。暮らしのさまざまなシーンでも特典が使えるJMB、この機会にご入会ください。

JAL

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Netscape7.0以上、Firefox 1.0以上、Macintosh Safari 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。