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【風流ことばあそび塾】の選、今回の担当は弥寿乃舎小ゆき(みすのやこゆき)と寿々乃舎於火女(すずのやおかめ)。そして私、篝火舎心亭(かがりやしんてい)が立評(たてひょう)をつとめます。
まず、添削についてお話ししましょう。
ことば遊びの会では、添削はしないのが原則です。なぜかというと、お作を読んだ人が、この場合は選者ですが、作者はこんな風に遊んでるんだろうと勝手に理解して添削すると、作った人は「俺そんなこと考えてないよ」ということになってしまいかねない。
添削の「添」は添える、「削」は削るという字を書きますから、できあがっている作品に添えたり削ったりすることをいうのでしょう。
私は添削ではなく、「斧(ふ)を入れる」ことがあります。「斧」はおのです。一本の木を削って、もともとそのなかにいらっしゃる観音さまにお出ましいただく、というイメージですね。
さて、立評に「平」とあるのは、平場といいます。平場に選んだものは、添削をしたらよい句になるんだけどなぁ、惜しいなぁと思うようなもの。それから、「通り句」ですね。
通り句は、前に何度も出ていて、私などには耳についているけれども、お作りになった方は初めてで、いい句だなぁと思っていらっしゃるに違いない。たとえば、「演歌異なもの味なもの」「栄転の霹靂(へきれき)」「年俸序列」。それから「サンバが街にやってくる」も、どこかで聞いたことがあるような気がします。
いい句だから通り句になるし、われわれもおぼえている。捨ててしまうのはもったいないなぁという気もして、通り句は本来抜かないものですが、平場でご紹介はしたほうがいいかもしれない、と思って入れました。
平場の七つめの「マンション一致で可決」ですが、いただいたお作は「マンション一致で可決する」でした。この「する」は要らないんじゃないでしょうか。で、斧を入れています。
長さに関連して、七秀の六に選んだ「ハンバーグでも良い逞しく育ってほしい」。元句は「腕白でも良い逞(たくま)しく育ってほしい」。この場合は、「ハンバーグでも良い」だけではわかりませんから、長くても全部あった方がいい。ま、しかし、洒落の限度はこれぐらい。これ以上長いとじゃまになると思った方がいいでしょうね。
それから、みなさん神経を使ってらっしゃると思いますが。漢字、ひらがな、カタカナのいずれを使って表記するかということは、非常に大事です、ことば遊びの作品は短いので目立ちますし、ニュアンスの違いや字面の美しさ、見やすさ、あるいは何を強調したいか、ということにもつながります。
今回、私が斧を入れたのは、漢字とひらがなの使い方をこうしたらどうだろうと思った句、これはひょっとしたら入力のときの誤字脱字だろうなと想像して入れたもの、など。
入力のときの誤字脱字では、短句の雲「あの時以来気兼ねする仲」の「来」が抜けていたようです。たぶん「以来」のつもりがどこかで落ちてしまったのでしょう。
また、漢字とひらがなの使い方では、洒落附の雲「新郎暇なし」ですが、いただいた句は「新郎暇無し」。漢字が続くのがちょっと気になります。
短句のほうでは、たとえば平場の四つめ「明日のために今日を生き抜く」の「ため」は元句では「為」でした。天の「暑さひきずる金魚屋の声」の元句は「牽(ひ)きずる金魚やの声」。「牽きずる」という表現はたいへん面白いのですが、どんなものでしょう。逆に「金魚や」の「や」は「屋」のほうがいいようです。
好き嫌いの問題でもありますが、私はなるべくひらがなを使いたい。漢字表記しかできない、あるいはひらがなでは誤解されてしまう場合を除いて、ひらがなですね。
私にとってはたいへん新鮮で、「こういう言い回しでこういう洒落のつくりかたがあるなぁ」と思ったのは、平場六句目の「変化っぱやい」。元句は「けんかっぱやい」で、こういう洒落のつくり方を半隠し(はんがくし)といいます。
三彩五客のあたりにも、なるほど今までこういうものはなかった、という面白いものが出ていました。
短句の七七は作りにくかったようですね。五七五のほうがなじんでいらっしゃるのでしょう。投句数も少なかったようです。
七七をお作りになる場合、ひとつ申しあげたいのは、下七を三音のことばでとめる「三音どめ」はぜったいにやめる、と思ったほうがいい。すわりが悪いんです。日本語のリズムなのでしょうが、言い終えてない、言い足りないという感じがあって、「あーこりゃこゃ」と後に続けたくなります。
確か芭蕉の句に三音でとめたものがあって「おや」と思ったことがありますが、私たちはまあ、やらない方がいいでしょうね。
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