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風流ことばあそび塾 篝火舎心亭監修

ことばであそぼ 大募集! 第7回結果発表! 洒落附 題「梅、桃、桜に関する一切」」川柳 一字冠 題「人」「気」

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監修:篝火舎心亭 文:寿々乃舎於火女

選を終えて 篝火舎心亭

今回の選者は、龍門亭登鯉(りゅうもんていとうり)、紀久乃舎音火女(きくのやおとひめ)。そして、わたくし篝火舎心亭(かがりやしんてい)が立評をつとめます。

 

洒落附 「梅、桃、桜に関する一切」

今回は初めて挑戦してくださる方が多かったのかもしれません。ルール違反、「病(やまい)句」がいくつもありました。洒落附は「頭」でもじるというのが原則です。そしてもう一つ、ご自分はわかっておられるのだと思いますが、自分しかわからないというのは遊びの世界では通用しない。なぜこの洒落はおかしいかという注釈をつけなればならない、となると具合が悪いんですね。

それから、「半隠し」という形がいくつかありました。

たとえば、「うぐいすれば風邪ひかぬ」。元は「うがいすれば風邪ひかぬ」でしょう。「うぐいすれば」ということばはありませんから、半隠しということになる。それから「ネクターしいやつ」。これは「憎たらしいやつ」でしょうか。非常に面白ければ、それはそれでいいんですが、どうでしょう。ちょっと無理があるんじゃないかなぁ。

同じ半隠しですが「馬肉っつくガム」。「歯にくっつくガム」ですね。字面では意味が通っていません。意味は通じないんだけれど、バカにおかしい。こういうのもあって、これは選ばれることがあるんですね。まあ、半隠しは、ふつうは損だと思っていいでしょう。

「梅干しをつける」は、たぶん「目星をつける」でしょう。これは、「つける」の字が違いますね。梅干しは「漬ける」で、目星は「付ける」。音は同じです。だから、ひらがなで出してらっしゃると思う。手慣れた人が選者泣かせに作っているんじゃないか、という気もします。

「飛び梅の人」。これは、最初にザッと見たときには選んだのですが、その後は何度みても、何を洒落ているのかわからなくなった。で、相当考えて、あ、これは「としうえのひと」だと。森進一の「年上の女」という歌がありますが、「ひと」っていうところが「女」という字なんですよ。これが「飛び梅の女」と書いてあったら、おそらく迷わなかったんだろうと思う。

「飛び梅の女」と書いて、「女」を「ひと」と読ませるためにルビをふったり、カッコ内に「ひと」と入れたりするのは、「わかってくださいよ」と誘っているんですが、カッコ内の説明や、ルビは、「なし」にしないといけないと思った方がいい。手柄にはなりません。そしてその分、選者との戦いになります。

「古いねこれは」というのがいくつかありましたね。「紅梅先に立たず」「梅の耳に念仏」。ほかにもあるかもしれませんが、前に見たことがあると、面白くても高点句には選びにくいですね。

 

川柳 一字冠「人」「気」

今回の題は一字冠(いちじかぶり)で、頭が決まっているからそこは動かせないのですが、清記(せいき)のときにことばの前後を入れ替えてみることをお考えになったほうがいいと思います。

「気づかずに妻すれ違うふと侘(わび)し」。街で女房とすれ違ったんだけども、向こうは気づかなかった。なんとなく侘びしくなったということでしょう。これを、私は「気づかずにすれ違う妻ふと寂し」と直してしまいましたが、ことばの並び方に無理がないように、スッと調子よく入ってくるように、ことばの入れ替えをいろいろお考えになるといいと思います。この句の良さは、寂しかったのは妻なのか、亭主である自分の方なのかを説明していないところでしょう。読者への投げ出しです。

それから字の表記ですが、川柳ですからアラビア数字よりは漢数字のほうがいいだろうし、カタカナは意識してお使いになったほうがいいですね。「ニキビ」「ツマミ」「ワル」など、カタカナを使われていますが、私だったら、たとえば「つまみ」なら、お酒の「つまみ」と鍋のふたの「つまみ」をかけているような場合、ツマミが普通のおつまみじゃないよ、ということを強調するために、意識してカタカナを使うことがあるかもしれません。

「気を使い金を遣って草臥れる」。この金を「使い」と気を「遣っても」そうです。意識して使い分けていらっしゃると思うけれども、これ、逆でもいいんですね。気づかいっていうときは「気遣い」、「気をつかう」ときは「使う」と、辞書に出ています。こういうことはやはり、ちょっと神経を使っていただく必要があるところです。

私がひらがなにする場合は、読み違えを起こす可能性のある場合でしょうか。やまとことばはできるだけひらがなにしますが、ひらがなが続くと読みにくい場合には漢字を入れます。

字の間違いには気をつけていただきたい。「気になるは我が指示率と統一選」というのがありましたが、この「指示率」はわざと使っておられるのかしら。もしわざと「指示率」と使っておられるなら、句の意味がよくわからないことになっていませんか。

それから「てにをは」。「気配りも限度を超えるとおせっかい」という句を、私は「気配りが限度を超えるおせっかい」と直しました。この元の句は説明になってしまっているんですね。直した方の「気配りが…」は擬人法です。気配りをする人の気配りが限度を超えるのであって、「気配り」というものが限度を超えることはあり得ない。擬人法は川柳の特色の一つです。それから「限度を超えると」の「と」は要らないんじゃないでしょうか。「と」を入れると八音になってしまいますし、それほどの意味はないでしょう。

「人騙(だま)し逃げれるものか偽造詐欺」の「逃げれる」は、「ら抜き」ですね。たとえば「逃げよう」「着よう」「食べよう」という「○○よう」と活用が「よう」につながる動詞は「れる」「られる」の場合、「ら」が要るんです。でも、いまはもうほとんどの方が「ら抜き」で、「着れる」「食べれる」を使ってらっしゃる。私は使いませんが、話しことばで娘が使うのはまあ仕方がない。でも、俳句、川柳の世界では選ぶときには抵抗があります。

「人肌は酒だけじゃない膝の猫」。これを私は芸者ととっているから、「酒」は「ささ」と読みたいですね。でも、ルビをふったりしないのがいい。「膝の猫」といったら三味線で、どう考えても芸者になっちゃうんです。だからキゝは「仕立ておろしを着せる喜び」としました。

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