臼井
犯人の侵入経路に特徴はありますか?
保里
犯人は必ずここから侵入する!といえる場所はありません。下見をしたり、十分に侵入経路や方法を練ることが多いので、一概に特定はできませんが、入りやすく、逃げやすいところが狙われやすいのは間違いないでしょう。戸建て、集合住宅共に窓からの侵入が多くなっていますが、集合住宅では玄関からの侵入も非常に多くなっています。防犯上、特に注意したい場所ですね。
窓からの侵入は、ドライバーなどの工具を使ってガラスを破壊し、手を差し込んで窓鍵をはずすケースが見られます。音が立たないようにバーナーなどで破壊する場所を焼き破る強硬派もいます。
玄関からの侵入は、ピッキングのほか、郵便受けやメーターボックスから合鍵を見つけ出し、それを使って侵入するケースもあります。その他にも、針金などで玄関ドアのサムターン(ドア内側の鍵)を回して開錠する「サムターン回し」、ドア鍵に設置されているデッドボルト(かんぬき)を作動させて開錠する「カム送り」などの手口による侵入も後を絶ちません。

犯人がもっとも嫌がるのは周囲の目。空き地や駐車場と接している家は見通しが良くても人目が少ないため危険度が高くなるといえます。また、敷地内と家の前の道路との間をチェーンや見通しのよい塀などで区別しておかないと、道路で立ち止まっている人なのか、不審者なのかを判別しにくくなります。
臼井
侵入窃盗における被害は大体どのくらいなのでしょうか? ニュースでは高額な被害をよく耳にするのですが。
保里
財団法人都市防犯センターによると、全国での被害金額は10万円未満が41%と最も多く、被害金額が増えるとともに割合が減る傾向にあります。しかし、02(平成14)年からは50万円以上が急増し、10万円以上50万円未満も増えていることから、被害額が高額化しているようです。その一方で、東京都では逆に高額被害が減少傾向にあります。
臼井
防犯対策を考える上で基本となる考え方はあるのでしょうか?
保里
防犯上では「基本警戒線」という考え方があります。戸建て・集合住宅で多少の違いがありますが、敷地の外周部(塀、門など)や構内部(駐車場など)が「第1警戒線」。建物の外周部(玄関、窓、勝手口など)が「第2警戒線」。建物の内部(屋内、エレベーターホール、管理人室など)が「第3警戒線」。重要対象物(金品や人命)が「第4警戒線」とあり、戸建住宅においては第1、2警戒線、集合住宅では第3警戒線までの防犯対策が重要になります。第4警戒線においては、防犯金庫などで直接防護する対策となります。
臼井
エリアを区切ってみると具体的な防犯対策を考えやすくなりますね。
保里
できれば、防犯のプロの診断を受けてみると、ご自宅の弱点がどこなのかがわかってよいと思います。人気がない、見通しが悪い(外から死角となる)、不特定多数が出入りするなどのエリアの住環境を見直してみるきっかけとなるはずです。

経済的な損失のみならず、その後の生活の安心感までも奪ってしまう侵入窃盗。家人の在宅状況によって「空き巣」、「忍び込み」「居空き」の3つに分類されます。「空き巣」といっても、証拠隠滅のために最後に火を放たれてしまったら・・・被害は甚大です。また、「忍び込み」や「居空き」は、万が一侵入犯と接触すると命さえ危険!犯罪の凶悪化に対抗して、在宅時の防犯対策も重要です。
参考資料:警察庁「平成18年上半期犯罪情勢」、都市防犯研究センター「防犯環境設計ハンドブック」
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