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ふたりでエコ日和

新しい土地で第二の人生 夫婦で夢の田舎暮らし

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音楽があふれる心地よい空間を作りたい

各部屋には、オペラの女性主人公にちなんだ名前がつけられている

「いつも音楽が流れているペンションにしたくて、自分たちのワガママを通しました」。新一さんは、クラシックからフォークまで幅広いジャンルの音楽を、昔からこよなく愛している。一方、佳子さんは音大で声楽を専攻していた本格派。そんなふたりのワガママとは、館内のいたるところで音楽を感じられる空間作りだった。

館内にはチェロやグランドピアノが置かれ、オペラのヒロインの名前が付けられた客室には、それぞれの演目にちなんだ調度品がセンスよく並べられている。壁紙や家具、小物にいたるまで、ひとつひとつ愛情を込めて選んだものばかり。音符の形をした壁飾りや、五線譜が描かれたナプキン、音楽をモチーフにしたインテリアや雑貨がさりげなくちりばめられ、目でも耳でも、音楽を感じて楽しむことができる。

「友人やお客さまからのいただきものも多いんですよ」とうれしそうに話す佳子さん。リピーターのお客さんが「この空間に似合うと思って……」とプレゼントしてくれることもあるという。

さらに、夫妻の念願だったサロンコンサートを、年1回のペースで開催している。ダイニングにいすを並べ、テラスからの風を感じながら目の前でオペラ歌手によるアリア、バイオリンやピアノの生演奏を味わうことができ、コンサートホールとは違った感動が味わえると好評だ。1年後の予約をして帰る人もいるという人気ぶり。演奏のあとは、おいしいワインやお茶、お菓子を囲んでの楽しいおしゃべりが待っている。

「演奏家やお客さまが一緒になって触れ合える場を作りたかったんです。私たちも、東京では知り合えなかった方たちとのご縁に恵まれて、とても刺激になっています」と語るふたりの顔は充足感に満ちている。

新しい出会いの数々に感動

客室からの展望はどの季節も良いという。この日は、見事なまでの雪景色

ペンションの快適さや美しい自然に加え、ふたりの温かな人柄が、たくさんのかけがえのない出会いを生み出している。仲良くなったお客さんのたっての願いで、神父を招いて結婚式を挙げたという素敵なエピソードも。「このオペラ軽井沢がおふたりの思い出の場所だと聞いて、とてもうれしかった」と話す佳子さん。

「移住してペンションをはじめてから、不愉快な思いをしたことがないんです。確かにとても気を使うし、労力は大変なものですが、それ以上に素敵な出会いがたくさんある。素直な若者たちとの出会いはそれだけでうれしいですし、地域の交流も盛んです。この歳で新しい友達が増えるなんて、なかなかないことですよね」と新一さんがあとに続いた。

客室でも、音楽好きのふたりらしいインテリアにこだわっている

多趣味で行動派の新一さんには感心させられることが多い、と佳子さんが語る。「ふたりでよく散策をするんですが、主人はペンションに戻るとき、絶対に来た道と同じ道は通らないんですよ」。あの道の向こうにはいったい何があるんだろう、あの山にはどんな風景が広がっているんだろう、あのスポーツの面白さは何だろう、あの人はどんな人だろう……。何かに興味を持つということ、そして好きになること、夢中になることがいかに大切か、新一さんはごく自然体でそれを実践している。「やれば何とかなるものです。考えていても仕方がないことがいっぱいありますから」。

自然や音楽、人生へのふたりの思いがたくさん詰め込まれた「ピッコロホテル オペラ軽井沢」。たくさんの宿泊客がここを訪れるのも、ふたりの前向きさや明るさがあってこその、心地よい空間が迎えてくれるからなのだろう。

軽井沢の貯木場に見る、生活のなかのリユース&リサイクル

薪ストーブには欠かせない薪の調達方法のひとつとして、樋泉さん夫妻は貯木場を利用している。軽井沢には、伐採された木材を町民が無料で引き取れる貯木場があり、森林の育成に欠かせない伐採と、切られた木々の有効利用を両立させている。このように共同で廃材を再使用する仕組みが整っている場所は、全国でも珍しいかもしれないが、普段の暮らしのなかで実践できるリユース、リサイクルは多い。故障しても捨てずに修理サービスを利用し、洋服や小物はフリーマーケットへ。使用済みになったパソコンや天ぷら油を回収するメーカーや企業も増えている。使えるものの再使用(リユース)と、資源化できるゴミの再利用(リサイクル)について、改めて見直してはどうだろう。

プロフィール

樋泉新一・佳子

新一さんは1942年東京都生まれ。60歳の定年まで、メーカーの営業として勤務。2003年、軽井沢に「ピッコロホテル オペラ軽井沢」をオープンした。趣味はアイスホッケー、スキー、テニス、音楽鑑賞、映画鑑賞。佳子さんは1948年千葉県生まれ。73年、新一さんと結婚、その後3男をもうける。ペンション経営を決めてからというもの、宿泊客にふるまう料理の腕を磨くべく、月に1〜2回ほど都内の料理教室に通っている。趣味は歌うこと、ウインドウショッピング、お菓子作り。

関連ページ

ライフスタイル − シンプルライフ http://doraku.asahi.com/lifestyle/simple/list.html

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(文:石川 明加)

(更新日:2008年3月3日)

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