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ふたりでエコ日和

新しい土地で第二の人生 夫婦で夢の田舎暮らし

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定年後にはじめたペンション

ペンション内に並べられた食器のコレクション。新一さんが会社勤めの頃、出張のたびに買って帰った

都内から軽井沢へ定年後に移り住み、自分たちの手でペンションをオープンさせた樋泉(といずみ)さん夫妻。移住の地に軽井沢を選んだ理由は、もともとこの地に別荘を所有していたからだった。40歳を過ぎたころから移住を考えはじめ、リタイア後の生活をふたりで楽しみに思い描いていたという。

「休暇のたびに訪れるほど軽井沢が気に入っていたので、ほかの土地は考えませんでした。ここには美しい自然があり、スキーやテニス、1年中いろいろなスポーツが楽しめるのも魅力です」と新一(しんいち)さん。

サラリーマン時代に営業畑を歩んできた新一さんには商売への憧れがあり、当初は喫茶店など小規模な店舗を構える計画を立てていたという。息子家族や友人たちが遊びにきたときに泊まれるようにと、設計段階でゲスト用の寝室をいくつか用意していたところ、「せっかく部屋数があるのだから」とペンション経営へと夢が広がっていった。

ダイニングルームには、佳子さんのグランドピアノ。お客さんとセッションで弾くこともあるとか

ペンション経営はおろか、商売の経験などまったくないふたりを家族や友人たちが心配するなか、開業を支援してくれるプロダクションを見つけ、勉強会に参加。ふたりで実際のペンションでの研修も経験し、経営方法をひとつずつ学んでいった。料理教室に通い続けていた妻の佳子(よしこ)さんの料理の腕前も心強いあと押しに。

「ペンションの仕事というのは、主婦の仕事のボリュームを大きくしたもの」。勉強会でのひとことが今でも佳子さんの心に残っている。「きちんと計画を立てて進めれば、素人でもできるんだ」と背中を押されたという。

そして2003年3月3日、晴れてペンションをオープンさせた。ペンションの名前は、ふたりの共通の趣味であるクラシック音楽にちなみ、「ピッコロホテル オペラ軽井沢」に決めた。開業日にはふたりで乾杯をしたと語るふたりの笑顔は、とても幸せそうだった。

冬は薪ストーブ、夏は自然のままの涼しさで快適に

厳しい軽井沢の冬には、この薪ストーブが大活躍
ダイニングルームから眺めるテラスには、佳子さんお手製の鳥小屋が

明るい雰囲気のダイニングで、ひときわ目を引くのがモダンな暖炉。軽井沢の厳しい冬も、薪ストーブがあれば体の芯まで温まる。

「薪に適しているのは広葉樹です。やにが少なく火持ちがいいので、長時間ストーブを焚(た)いておくことができるんです。針葉樹は油分が多いので火はつきやすいけれど、やにが多いので薪には適していないんですよ」と新一さんが教えてくれた。薪は近くの山から調達したり、町役場の貯木場から無料でもらったりする。

夏の軽井沢は自然のままの涼しさがいい。「真夏でも朝晩は涼しくなるので、客室にもエアコンは取り付けていません。お客様にはきちんとお伝えして、それでもいいと言ってくれる方がいらしてくれるんです」と新一さん。

地元の食材を使った佳子さんの手料理も、すこぶる評判がいい。料理に使う食材は、山に生えている山菜やきのこを採ったり、畑を持っている近所の人が好意で野菜を届けてくれたりすることも珍しくない。特に高原野菜がお客さんに喜ばれるのだという。地元の人にとっては当たり前の味でも、都会に住む人にとっては、新鮮な旬の野菜を味わえることは、とても贅沢(ぜいたく)なことに思える。新一さんも「ここに来て初めて、山菜を美味しいと思うようになったんです」と語る。豊かな自然や旬の食材、四季の恵みを存分に味わえる生活を満喫している。

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