朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ホーム設定

Special Contents ひと

  • インタビュー
  • フロントランナー
  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

記事を印刷

ライフスタイル

  • バックナンバー

快適ふたり生活

においの専門家外崎肇一さんに聞く夫婦ふたりのにおい Vol.3 一緒に過ごす快適空間〜においと心理〜

  • ページ1
  • ページ2

体臭は人に対する印象を大きく変えてしまうことがあります。特に年を重ねると誰もが発するようになる加齢臭は、自分ではなかなか気付かないものなので、においのケアには気を使いたいもの。人によって感じ方が大きく異なるにおいとは、一体どういうもので、人にどのような影響を与えるのでしょうか? においの専門家である明海大学の外崎肇一教授に、夫婦の心理を含めたにおいのお話を聞いてみました。

脳へとダイレクトにつながるきゅう覚

外崎肇一(とのさき けいいち)

栃木県出身。理学博士。明海大学歯学部教授。専門は感覚生理学。東京教育大学理学部生物学科卒業、同大学院理学研究科博士課程修了。聖マリアンナ医科大学生理学教室助手、アメリカ合衆国フロリダ州立大学生物学客員研究員、朝日大学歯学部教授、岐阜大学農学部獣医学科大学院教授などを経て、平成14年より現職に就く。著書に『「におい」と「香り」の正体』(青春出版社)『がんは「におい」でわかる!』(光文社)がある。最近はがんのにおいに対しての研究を続けており、がん探知犬マリーンを使ってにおい成分の割り出しを目指している。

世の中にはさまざまなにおいが存在します。食欲をそそるにおいやうっとりするような草花のにおい、鼻をつまみたくなるようなゴミのにおいなど……。例を挙げていけば切りがありませんが、私たちの生活に欠かせないにおいに対する感覚は、一体どういうものなのでしょう。

「人間の感覚器は、目、耳、鼻、舌、皮膚などがあります。そのような感覚器の興奮が神経を伝わっていき、多くはまずは脳の一部の視床に入って統合された結果がさらに上位の 脳に伝えられていきます。ところがにおいのきゅう覚は視床を経由せずに、直接脳に伝えられるのです。においを嗅(か)いだことで一瞬にして記憶がパッとよみがえるというような感覚を経験されたことがある人もいると思いますが、これは、ほかの感覚と違ってにおいがダイレクトに脳に伝わるからなのです」。

視床を経由しないにおいの感覚は、大脳の本能的なところに直接作用します。目や耳に比べると、軽視されているきゅう覚ですが、人間にとっては重要な感覚といえます。しかし、きゅう覚にはまだ多くの謎が残っています。

「医学系のどんな専門書でも目や耳の項目にはたいがい20ページの記述があります。ところが鼻になると、どんなに詳しい専門書でも2〜3ページぐらいしか書かれていません。要するに、器官そのもののことがまだあまり分かっていないのです。数年前に、においを研究していた人がノーベル賞を取りましたが、それはにおいの受容体が百種類ほどあることが分かっただけで、その百種類ある受容体とにおいは具体的にどのように関連するものなのか、どう違うのかということは分かっていないのです」。

きゅう覚は悪臭に対しても慣れやすい

人体の中ではまだ解明されていないことが多いきゅう覚。これは経験や学習による面が大きく作用しているせいでもあるようです。"いいにおい"と"いやなにおい"という単純な分類でさえも分からないことがたくさんあります。

「いいにおいというのは、ほとんどの人にとって、いいにおいです。例えば、バニラ、レモンなどのにおいは、誰にとってもいいにおいといえます。ところが、腐ったチーズや、夏に履いていた靴下のにおいが好きな人もいます。これはとても面白いものです。また、犬や猫は主人のにおいであれば、悪臭と呼べるものにも反応して、鼻を寄せて好んでにおいを嗅ぎます」。

悪臭に対する嗜好性は個人差が大きいのが不思議なところです。それに、きゅう覚には慣れやすいという特徴もあります。

次のページへ
画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Netscape7.0以上、Firefox 1.0以上、Macintosh Safari 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。