80年代中ごろ、古着人気とともに若者の間でブームとなったフリーマーケット。ブームは若者から主婦へと広がり、最近では世代を超えたコミュニケーションの場として、リタイア後の男性からも人気を集めている。そんな昨今のフリーマーケット事情と初心者へのアドバイスを「東京リサイクル運動市民の会」の常任理事、赤池正行さんに聞いた。
もう使わないが捨てるにはもったいないものがどこの家でも眠っている。全国各地で開催されているフリーマーケットは、そんな「もったいない」ものを気軽に販売できる場として人気。若者の間では略して「フリマ」と呼ばれ、とても身近な存在だ。
フリーマーケットが開かれるのは、人が集まりやすい公園などのスペース。広い敷地を小さな区画に分け、あらかじめ登録していた出店者に一つずつ区画が与えられる。誰もが店主になれる1日限定のリサイクルショップだ。開催日は週末などの休日がほとんど。掘り出し物を探しに来た人や散歩がてら立ち寄った人で会場は大にぎわいとなる。まるで屋台が並ぶお祭りのような雰囲気だ。
フリーマーケットを主催する団体は急増しており、「この15年で、首都圏だけで3団体から約400団体に増えました」と赤池さん。

開催場所は公園が多い。遊園地や競馬場の駐車場など大きな会場を貸し切るケースもある。古着などを売り買いする若者やバザー感覚で集まる主婦が中心というイメージが強いが、最近増えているのが50代以上の男性。長年コレクターとして集めてきたものを並べ、楽しそうに客と話をしている男性もめずらしくないという。「お客さんとの距離が近いのがフリーマーケットの魅力。年配の方が子どもや若い人に売っているものについて教えてあげている姿もよく目にします。世代を超えたコミュニケーションの場になっているんです」。
決まった場所で定期的に開催されるフリーマーケットも多いので、お客さんも出店者も顔なじみになり、自然に友達ができる。同じ会場に何度も顔を出していると、単に物を売るだけでなく、情報交換をしたり、近況を教えあうなど、次第に人間関係も深まっていくという。それが楽しみになり、コミュニケーションを求めて参加している人も多いようだ。長年の会社生活などで地域とのつながりが希薄になっている男性には、それを取り戻す機会にもなるだろう。

実際にフリーマーケットの会場を歩くと、商品の種類の幅広さに驚く。主婦に多いのは、子ども服や手作りのアクセサリーなど。このほか、骨董(こっとう)品や海外旅行で手に入れた雑貨、おもちゃやフィギュアなど実にさまざまなものが並ぶ。自宅にあるものを売る人だけでなく、店を経営していた人が在庫処分のために出店しているケースもある。
「男性の出店者に多いのは、ラジオなどの古い電化製品や仕事で使ってきた工具などを売る人たち。自分で作った竹とんぼや竹細工を売っている方もいます。なかには、『子どもが好きなので、面白いおもちゃを買い付けて売っている』という方も。最近は個人に卸している問屋さんも多いので、実際に問屋に出向いて自分の目で選び、販売しているようですよ」。竹とんぼなどのおもちゃは、子どもにその場で遊び方を教えることでコミュニケーションが生まれる。子どもはもちろん、それを売る大人にとっても、心がなごむ楽しいひとときだ。

なかには、自分で作ったおもちゃの特許を取り、販売している人もいる。こだわりの品を並べる人たちは、売ることだけを目的にしているのではないようだ。価値をわかってくれる人に売りたいという思いが強いからこそ、おのずと客との会話が生まれてくるのかもしれない。
このようなフリーマーケットは、実際に店を出すのとは違い、誰もが気軽に参加できるのが魅力。出店料は日程や会場ごとに違うが、2000〜3000円と手ごろなところが多いので、初めてでも収支がそれほど気にならない。興味がある人は始めてみてはいかがだろう。

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Netscape7.0以上、Firefox 1.0以上、Macintosh Safari 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。