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心地よい暮らし

季節を感じる野鳥観察 身近な自然に足を伸ばそう

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秋から冬は野鳥観察に格好のシーズン。野鳥の種類が増え、落葉も始まって鳥の姿も見えやすくなる。この季節、散歩のついでに身近な野鳥を観察してみよう。しかし、いきなり一人でするのは難しい。そこで10月のある日、都立野川公園で開催された野鳥観察会に参加して、公園ボランティア野鳥グループの皆さんにコツを教わった。

まず地域の季節鳥から顔見知りに

冬鳥として渡来し、越冬をするカシラダカ(上)とイカル(下)。観察会のおこなわれた野川公園にも訪れるが、この日は残念ながら見られなかった(提供:野川公園自然観察センター)

楽しみ方は色々だが、近場で観察する場所を決めて、四季の移ろいを楽しむのもそのひとつ。シジュウカラやメジロのように、年中同じ場所に生息している「留鳥」を除くと、多くは季節によって住む場所を変える。春先から夏に南から渡ってきてその地域で繁殖するのが「夏鳥」、秋口に北からやってきて越冬するのが「冬鳥」。そのほか、長距離移動の途中に立ち寄る「旅鳥」や、山から里へ季節により移動する「漂鳥」もいる。

都立野川公園には、ツバメやカッコウなどの夏鳥が8、9種類、ツグミ、シメなどの冬鳥が25種類ほど飛来する。モズのような漂鳥やエゾビタキのような旅鳥を含めて、留鳥を中心に、これまでに約70種が観察されている。

10月は、夏鳥と冬鳥が入れ替わる「谷間」の時期。野川公園自然観察センターが主催する観察会には、公園ボランティア野鳥グループのメンバーも含めて、36人が参加した。50〜60代が中心で男女はほぼ半々。団塊の世代と思われる仲むつまじい夫婦もいた。聞いたとおり、熟年世代で人気が広がっているようだ。

空やまわりの自然を観察しながら解説してくれる野鳥観察のボランタリー。野鳥を見つけるとフィールドスコープで拡大して見せてくれるので、初心者でも見逃さずにすむ

この日のガイド役を務める野鳥グループの土井一彦さんが、「数日前からこの公園にエゾビタキが来ています。一週間ほどで南の国に帰る季節限定の旅鳥。今日が最後のチャンスかもしれません」と言うと、何人かの参加者は懐から鳥類図鑑を取り出してチェックしていた。今日の主役はエゾビタキだろうか。

耳を澄まして目を凝らす

観察会は自然観察園の散策から始まった。園内にはカワセミや水辺の鳥たちが生息する池や湧き水群があり、バードサンクチュアリにも隣接している。歩き始めてすぐに気づいたのは、野鳥グループのメンバーが、自分の気配を消すように黙々と歩いていることだ。

「野鳥は人の動きや声に敏感で、カン高い声を上げたり指をさしたりするとおびえてしまいます。鳥が暮らす場所に入っていく以上、鳥の迷惑にならないようにしないといけませんね」と言うのは、グループの水石邦生さん。

カケスは全体に紫がかった褐色で、翼の一部が青と黒のまだら模様になっているのが特徴的(提供:野川公園自然観察センター)

土井さんは、さかんにドングリやエゴノミをチェックしている。「ドングリはカケスの、エゴノミはヤマガラの好物だからです。生き物を観察する時は、食物連鎖を意識することが大事ですね」と土井さん。今年はドングリが豊作、エゴノミは不作だそうだ。

そうこうするうちに、前方の木の中腹から「ジェイ、ジェイ、シャー、シャー」というカケスの鳴き声が。カケスは秋になると山から里に移動する漂鳥で、野川公園にも毎年やってくる。鳴き声にちなんで英語名は「Jay」。ドングリなどを地中に貯蔵し、あとで掘り返して食べる。

1本の木に、多数の鳥が集まっていた。シジュウカラ、コゲラ、メジロの混群で、木の頂上、真ん中、下の部分でテリトリーが分かれているという。シジュウカラやメジロの姿や鳴き声を知っていても、混群になると初心者には「多数の鳥」としか認識できない。

「私も最初は、メジロとムクドリの鳴き声を区別できないくらいでした。でも場数を踏んでいくと、聞き分けられるようになりますよ」と言うのは石井真子さん。今では夏のセミの鳴き声の中からでも、鳥の声を聞きわけられるそうだ。

野鳥観察は「観ようとしなければ、見えてこない。聴こうとしなければ、聞こえてこない」と言われる。自然観察園のように都内屈指の自然が残っている場所でも、耳を澄まし、目を凝らして鳥を探すには、かなりの集中力がいるものだ。

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