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学びて生きる

Vol.3 学びで未知なる力が開発される〜庄司洋子さん

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家族論、ジェンダー論、福祉政策論を専門分野とする庄司洋子さん。大学卒業後、一度は就職したものの、30代で大学院へ進学した経験がある。女性の進学率が低い時代にあって、まさに生涯学習を先駆的に実践してきた女性だ。そんな庄司さんは、今のシニア世代の「学び直し」「再チャレンジ」をどのように受けとめているのだろうか。

人生に課題を持つ人が勉強すると学習効率も高い

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今のシニア層は元気です。定年を迎えても「生きがいとなる何かを今からでも見つけたい」「老後は長いんだから何かしたい」とか、さらに貪欲に「これまでとはひと味違った生き方をしてみたい」「もがいてでも次の世界を切り開きたい」と考える人が多くなった気がします。「定年後は悠々自適に」と思う人は減っていて、もっと前のめりに自分の人生を全うしようとするシニアが増えています。

その時、次なる「何か」を見つける手段となるのが「学び」です。おもしろいのは、自分の人生に対して何かしら課題意識を持っているシニア世代が、いったん勉強を始めると、驚くほどの吸収力で学んだことを自分のものにしていくこと。おそらくこれまでの人生の中で、苦労を含め、様々な経験を積み重ねてきている。その経験によって感性が鍛えられているので、学んだことをしっかり自分の中に浸透させることができるんです。「学び」への動機づけも明確なので、学習効率も非常に高いですよね。

私は、「学び」には実に様々な効力があると思っています。まず、意欲的に学べば学ぶほど、自分の知らない力が開発されます。いわば未知の自分との出会いですね。そして、「自分にもこんなことができるんだ」という能力の発見が、「次はこんなことがしたい」という新たな希望をも芽生えさせてくれる。つまり、「学び」には人の可能性を無限大に広げる力、人の心を前向きに動かす力があるんです。この「学び」の効力を大いに利用して、シニア世代もますます飛躍してほしいものです。

「学び」がそばにあると、他のことも頑張ることができる

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私は大学を出ていったん就職したのですが、30代で休職し、大学院へ行きました。まさに「学び直し」、生涯学習の走りでした。そしてその後、大学で教鞭(きょうべん)をとるようになりました。

とはいえ、決して順風満帆できたわけではありません。人生とはつくづく飽きないようにできているものです。特に家族生活においては想像もつかないことが次々起こりました。それによって振り回され、思うようにいかないことも多々ありました。

でも、何とかそれらを乗り越えることができたのは、そばに研究があったからだと思います。研究というのは、いわば学びの連続。時に苦しくつらいものでもあるのですが、苦しみの向こうには必ずそれ以上の楽しみが待っています。そのことを、私は研究を通して体得していたんでしょう。だから何かあっても頑張ることができた気がします。

それと、長く「学び」を続けていると、「学びの苦しみを楽しむ」ということが次第にわかってくるんですよね。学問や研究というのはただ楽しいだけではつまらないんです。苦しみがあるからこそ楽しい。そんなふうに思えてくるのもまた「学び」の魅力だと思います。

シニア層に読んでもらいたいお薦めの本

「黄落」

「黄落」

1970年代、有吉佐和子の「恍惚の人」の衝撃から20年余、認知症への理解や老々介護への覚悟を促してくれる作品として、介護文学の深まりに感動しましたので、みなさんにもお薦めします。

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著者:佐江衆一
出版社:新潮文庫
価格:580円(税込み)

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