こんにちは、ドッグアドバイザーの高田由香です。
現在、私は犬のための保育園の「先生」として、毎日10匹ほどのわんちゃんと楽しく過ごしています。
保育園では、人間社会で飼い主さんと楽しく快適に暮らしていくためのルールを教えるのはもちろん、犬同士の遊び方やあいさつの仕方も教えます。
犬社会のルールは、どう頑張っても人間の私には教えられません。
そこで登場するのが、我が家の愛犬4匹。
キースホンドのポンとコーギーのキャンディは、「年上の犬のことを敬うこと。しっかりあいさつをすること」などを子犬たちに教える担当。厳しい「教育係」ですが、園児犬から信頼が厚いのがこの2匹です。
ダルメシアンのアシューとコーギーのアニーは、「犬はこわくないよ、犬にも優しい子はたくさんいるよ」など、最近多い「犬見知り」のわんちゃんの苦手意識を克服させる担当。特にアシューは小型犬が大好きなので、大型犬が苦手な小型犬はまずはアシューで慣れてもらいます。
先生犬達は、たまに勝手な独自のルールで園児犬を叱(しか)ってしまったり、園児犬と一緒にいたずらをしてしまったりして困ったところもありますが、それぞれ仕事を頑張ってくれています。
我が家は4匹の大所帯です。それぞれ性格も違えば、得意・不得意も違います。同居犬同士の相性と関係は、飼い主にとってとても気になるものですよね。
今回は「先住犬と後から来た犬の関係について」のご相談を取り上げたいと思います。
雄のラブラドール・レトリバーを8年間飼っています。この春から雌のラブラドールを飼い始めましたがなかなか仲良くなってくれません。
小さい雌のほうは「遊ぼう!!」という感じで乗っかっていくのですが、年配の雄のほうはうるさいらしく、走って逃げて行くばかりです。お散歩も子犬の雌のほうが突っ込んできて2匹一緒には無理な状態です。この関係を何とか改善できないでしょうか。
8歳で落ち着いたお兄さん犬と、元気一杯でやんちゃな妹犬のコンビですね。優しいお兄さん犬の困った顔と、かわいい妹の無邪気な笑顔が目に浮かびます。
わんちゃん同士が「家族」と認め合うことができるように、飼い主さんに上手にリードしていただきたいと思います。
子犬は手がかかるので、どうしても家族の目も妹犬に向きがちです。今まで8年間、飼い主さんの愛情を独り占めしていたお兄さん犬。「この子も家族なんだから、優しくして」と急に言われても、なかなか納得できないのも無理ありません。
飼い主さんが2匹と関わる時に気をつけてあげてほしいことの一つ目は、「何でもお兄さん犬を優先すること」。
お兄さん犬を特別扱いする必要はありませんが、「ご家族とお兄さん犬との生活に、妹犬が加わった」というイメージで2匹に接してあげていただきたいと思います。
例えば、「おはよう」や「ただいま」「おやすみなさい」などの日常のあいさつや、頭をなでる、ごほうびをあげる、など2匹に一緒にしてあげることは、いつもお兄さん犬を先にしてあげてください。
我が家の例をお話しますと、帰ってきて一番玄関の近くにいるのはポンとアシューなのですが、私は奥の部屋にいるキャンディとアニーに先に「キャンディ、ただいま! アニー、今日もいい子だった?」とまず声をかけ、その後ポンとアシューにそれぞれ「ただいま」のあいさつをします。
ごほうびも、キャンディ、アニー、ポン、アシュー、と、家に来た順番にあげるようにしています。

わんちゃんが1匹から2匹になると、お散歩をするにもごはんをあげるにも、今までの2倍時間がかかることになります。
1匹で飼っている時と変わらずに時間をかけてあげられれば一番良いのですが、なかなかそうもいかないことも多く、実際は「今までの時間で2匹分」になってしまうことが多いと思います。
繊細なわんちゃんの中には、「今までの半分しかボクに時間をかけてくれなくなった…ってことは、ボクへの愛情も今までの半分になっちゃったの?」と不安になってしまう子もいるようです。
1日5分でも良いので、それぞれのわんちゃんと飼い主さんが「1対1」になる時間を作ってあげてください。
1対1で、それぞれが飼い主さんに望んでいること(例えば、お兄さん犬はマッサージ、妹犬はしつけのトレーニングなど)をしてあげる時間にしてください。
わんちゃんと1対1になることで、それぞれの性格の違い、得意・不得意、何を考えているか、そしてお互いの言い分などを深く理解してあげることができると思います。
また、お散歩の時間は1対1になるのに最適な時間です。お兄さん犬と妹犬のペースが合わないようなら、お散歩の時間を1対1の時間にするのも良いと思います。
わんちゃんの性格はそれぞれです。すぐに新しいわんちゃんを「家族」と認められる子もいれば、なかなか認められずにやきもちをやいてしまう子もいます。
ご相談を拝見すると、お兄さん犬は妹犬に乗っかられても怒らずに逃げてしまったり、お散歩でも突っ込まれてしまったり、とても優しい性格なのだな、と思いました。
飼い主さんと自分の生活が落ち着いてきて、のんびりしたところに元気一杯な妹犬がやってきて、どう接して良いのか少し戸惑っているだけなのだと思います。
あまりにも妹犬がしつこくしてお兄さん犬が困っているようなときは、飼い主さんが妹犬の遊びを止めさせて、2匹を別々に過ごさせてください。飼い主さんがしっかりと妹犬にお兄さんを困らせないように教えてくれれば、お兄さん犬は安心して妹犬と接することができるようになります。
お兄さん犬に「お兄ちゃんなんだから、もっと妹をかわいがって!」と無理をさせるのは逆効果。飼い主さんが妹犬に「お兄ちゃんと接するルール」を教えてあげてください。
お兄さん犬のペースに合わせて、焦らず、お互いを「家族」と認めるようにしてあげてください。
数カ月後には「かわいい妹から目が離せない優しいお兄ちゃん」と「少し大人になって落ち着いてお兄ちゃんの言うことが聞ける妹」になっていることと思います。
(更新日:2006年11月10日)

高田由香(たかだ・ゆか) ドックアドバイザー

ペット可の集合住宅でのしつけ教室やセミナー、イベントの企画・運営などに携わり、「人間と犬が自然に共生できる社会」を目指して精力的に活動中。
カフェ&わんこの保育園&グッズショップ一体型「Parco del Cane(パルコ・デル・カーネ)」をご主人とオープン。愛する夫と愛する子供達(キースホンド1匹、コーギー2匹、ダルメシアン1匹)との6人(?)家族。趣味はサッカー観戦。イタリアセリエA「ACミラン」の熱烈サポーター!


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