こんにちは、ドッグアドバイザーの高田由香です。
本格的に暑い日が多くなってきました。わんちゃん、そしてご家族の皆さんともに暑さに負けていませんか?
わんちゃんは暑さが苦手な動物です。わんちゃんは体高が低く、地面からの熱を思い切り受けてしまいます。
少し日が陰ってきても、地面の温度(特にアスファルトはとても熱くなっていることが多いです)を確かめてから歩かせてあげるようにしてください。逆に、室内の冷房で冷えすぎてしまうこともあります。風が直接当たらないか、わんちゃんの体に近い床が冷え過ぎていないか、わんちゃんの体の高さになって確かめてあげてみてください。
暑くて滅入ってしまう日も多いですが、夏といえば夏休み! 海へ、山へとペットと一緒にお出かけを考えている読者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、楽しいドライブ中に飼い主さんを困らせてしまうポメラニアンさんのご相談です。

愛犬のポメラニアン(6歳)は、家族で車に乗ると目的地に到着するまで吠(ほ)え続けます。外の景色を見せたりすると一時的に吠えなくなりますが、減速したり、シートベルトをはずした時の『カチャ』の音に反応してまた始まります。叱(しか)れば叱るほど吠え続けるのでもう諦めかけています。
ああ、静かにドライブがした〜い。最近は愛犬と共にドライブすることがなくなってしまいました…
目的地まで吠え続けてしまう、とのことですから、ポメラニアンさん自身精神的にも体力的にもとても疲れてしまうことと思います。
ポメラニアンさんの負担が少しでも軽くなるように、いろいろ考えてみたいと思います。
吠えてしまうことには必ず原因があるはずです。吠えることをやめてもらう方法は、その原因によってかわってきます。
今回はわんちゃんの生活の根本から吠えを直すようにする「原因療法」からお話します。
まず、ポメラニアンさんが音に敏感に反応して吠えたり、車のスピードが変わると吠えていることから考えて「車に乗ることがこわい」と感じているような場合について考えたいと思います。
このような場合、普段の生活で環境の変化に敏感になり過ぎるわんちゃんにならないよう、飼い主さんが心がけてあげてみてください。
普段の生活の中で、わんちゃんが敏感に反応するポイントがあると思います。例えば、家の新しい電化製品の音、お散歩中に曲がり角から突然現れた人…などなど。
わんちゃんが「こわい!」と反応しそうなポイントに出会ったら、「大丈夫、落ち着いて」と励まし、吠えずに通り過ぎたり近づけたりしたらたくさんほめてあげてください。
こわがる素振りをしても、けして「弱虫ね」などプライドが傷つくようなことは言わないであげてくださいね。本当はとってもこわいのに「ぼ、ぼくは強いんだぞ!あっち行け!!」と強がって吠えてしまう原因になってしまうことがあります。
また、車自体に悪いイメージを持っていると、車に乗ることを不安に思ってしまうことが多いです。わんちゃんが苦手な場所(例えば獣医さんやトリミングサロンなど)に行くときだけに、車を使っていませんか?
わんちゃんが好きな場所に出かける時にも車を利用し、車に良いイメージ・楽しいイメージを持たせてあげてください。
また、叱れば叱るほど吠え続ける、ということから考えると、「吠えることで家族にかまってほしい、気にしてほしい」と思っていることも考えられます。家族のみんなが楽しく話している輪の中に自分も入りたい、と思っているのかもしれないですね。
気持ちは良くわかりますが、この場合、少し「自分が中心じゃなくちゃイヤ」という考えを改めてもらわなければならないですね。普段から、飼い主さんが「やめて」「これはしてはいけない」と言ったらしっかりと聞くように、「家族のルール」を作ってわんちゃんにしっかり守らせるようにしてください。もちろん、飼い主さんも守ることを忘れずに。
わんちゃんは元々吠えることが得意。それゆえに、一度吠えることを覚えるとなんとなく癖になってしまうこともあるものです。
飼い主さんが「落ち着いて過ごせる環境」を作って、吠えるチャンスを与えないようにすることも大切です。
普段わんちゃんが落ち着く様子なのはどんな時ですか?
飼い主さんに抱っこされていることが落ち着く子でしたら、抱っこをして安心させてあげる方法も一つですし、リラックスポジション(おなかを見せて抱っこされる服従の姿勢)が落ち着くのでしたら、その状態で車に乗ってあげるのも一つです。
ケージの中やキャリーバッグを「落ち着くことができる場所」と思えているようだったらとてもラッキー。車の中にケージやキャリーバッグを持ってきて、その中に入って移動してもらえば良いのです。吠え続けて興奮状態になってしまったら、一度ケージに入ってもらって「クールダウン」する方法もあります。
ケージに入っての移動は、安定がよく落ち着けて車酔いも少なくて済むようです。
たまに車の中から外を歩く人や犬に向かって吠えたりするわんちゃんを見かけますが、あのような場合は車全体を「動く縄張り」と勘違いしてしまっているからです。車の中でケージの中だけが自分の居場所と思えるようになれば、車全体に対する縄張り意識はかなり薄れることと思います。
ポメラニアンさんは6歳で経験豊富ですから、「ほめる」と言ってもおやつではつられなくて、飼い主さんのほめ言葉にもなかなか反応してくれないこともあると思います。
でも飼い主さんとポメラニアンさんの間には、6年間で固く結ばれた絆(きずな)があります。ポメラニアンさんの様子や気持ちを考えながら、「こわいものは一緒に克服して、楽しいことを一緒にやってみようよ」、「私達は家族なんだから、お互い少しずつ我慢することは当たり前。車の中ではお互い気分良く過ごせるように考えようよ」という気持ちで接してみてください。
落ち着ける環境作りを工夫して、短い距離から少しずつドライブしてみてください。吠えないで車に乗ることが出来る距離を徐々に延ばして行きましょう。「成功の積み重ね」で、飼い主さんもポメラニアンさんも楽しい気分で練習してみてくださいね。
(更新日:2007年07月24日)

高田由香(たかだ・ゆか) ドックアドバイザー

ペット可の集合住宅でのしつけ教室やセミナー、イベントの企画・運営などに携わり、「人間と犬が自然に共生できる社会」を目指して精力的に活動中。
カフェ&わんこの保育園&グッズショップ一体型「Parco del Cane(パルコ・デル・カーネ)」をご主人とオープン。愛する夫と愛する子供達(キースホンド1匹、コーギー2匹、ダルメシアン1匹)との6人(?)家族。趣味はサッカー観戦。イタリアセリエA「ACミラン」の熱烈サポーター!


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