こんにちは、ドッグアドバイザーの高田由香です。猛暑の日々もやっと終わり、すっかり秋らしくなってきました。
涼しくなって来たので保育園のわんちゃんたちも元気いっぱいです。
夏場食欲が落ちていたわんちゃんたちにもすっかり食欲が戻り、トレーニングのごほうびを普段よりもおいしく感じてくれているようです。おいしいごほうび獲得目指してトンネルをくぐり抜けたり簡単なハードルを跳んだりして体をたくさん動かすトレーニングはもちろん、お座りや伏せなどのじっと待つトレーニングも、夏場よりも数倍はりきって頑張ってくれます。
人間にとってもペットにとっても、「食欲の秋、運動の秋」なのですね。
保育園に通ってくれているわんちゃんたちの家庭環境は様々ですが、飼い主さんが心配されていることのひとつがお留守番についてです。
飼い主さんが、保育園に来ている日以外一日の大半を一匹でお留守番するわんちゃんのことを心配するのはもちろんでしょうが、いつも家族の誰かがおうちにいることに慣れていて、買い物などの短時間のお留守番でもわんちゃんが不安がってしまう、という心配もあるようです。
今回はその「お留守番のスペース」についてのご相談です。

分離不安症ぎみなので、ひとりでお留守番ができるよう練習中です。サークルなど狭い場所で留守番させるのがよいということで、サークルに入れておくようにしていますが、持ち運び用のゲージで留守番させる方がよいという話も聞きます。そんな狭いところでもいいのでしょうか。
「分離不安」とは、飼い主さんと離れたことが不安で吠(ほ)え続ける、動き続ける(跳びはねる、ぐるぐる回るなど)、そしてひどい時には吐く、泡を噴いて倒れてしまう、など体に何らかの症状が出てしまうことを言います。
分離不安ぎみのわんちゃんをひとりでお留守番させるのは、飼い主さんはとても心配だと思います。
わんちゃんが安心してお留守番でき、飼い主さんも安心してお出かけできるようアドバイスさせていただきたいと思います。
お留守番の話から少し外れてしまいますが、まず最初に「わんちゃんが『与えられた広さ』をどう感じるか」のお話しをさせていただきます。
「わんちゃんに狭いスペースしか与えないのはかわいそう。おうちの中でも自由にのびのび過ごさせてあげたい」と思う飼い主さんも多いと思います。
一般的に、わんちゃんは自分が行き来できるスペースを「縄張り」と意識するようです。
そのため、広いスペースが与えられると、「縄張りを見張らなくてはならない、よそ者には自分の存在をアピールしなければいけない」というような義務感でいっぱいになってしまいます。その義務感が「来客や物音に吠える」「新しく置いたものに、マーキングのためにおしっこをかける」など、飼い主さんを困らせる行動につながってしまうことがあります。
広いスペースで生活してもちっとも困った行動をしない、というわんちゃんは素晴らしいですが、少しでもわんちゃんの「縄張り意識」を感じる飼い主さんは、わんちゃんがおうちで自由に行き来できる範囲を狭めてみるのも一つの方法だと思います。最初は行動範囲が狭まって落ち着かない様子かもしれませんが、義務感から解放されて安心して過ごすことができるようになるでしょう。また、徐々に自分の仕事が楽になったことに気付いて飼い主さんに目を向けてみる、今まで興味を持たなかったことに興味を示すようになるなど、余裕が出てくる効果も期待できます。
普段おうちの中で自由に過ごしていても、仕切られたスペースで過ごす練習は大切です。
今回はお留守番のケースですが、例えば病院に入院する時やペットホテルに預けることになった時は、ほとんどの場合ゲージの中で寝泊まりすることになります。そのような状況下でも、わんちゃんにストレスを感じずに過ごしてもらいたいですよね。
ここでは、仕切られたスペースに入って過ごすことを嫌がらなくなる方法をお伝えします。
まず避けてほしいのは、「サークルやゲージを罰の道具として使うこと」です。
吠えてしまったり、興奮し過ぎてしまったりした時に、一時的に落ち着かせるためにサークルやゲージの中に入れてあげるのは良いのですが、吠え止んだり興奮がすっかり納まった後、声も掛けられずにずっと入れっぱなしにされていると、わんちゃんが「良い子にしていたのにここに閉じ込められた」と勘違いして、サークルやゲージに入ることを嫌うようになってしまうことがあります。
反対に、サークルやゲージに入るのが好きになる方法もお伝えします。
持ち運び用のゲージの中で、ごはんや大好きなおやつを食べさせてみることもひとつです。「ゲージの中でのみ食べられる特別なおやつ」などを用意しておくと、とてもやる気が出るでしょう。
扉が閉められてしまうと不安に感じてしまうわんちゃんも多いようです。そのようなわんちゃんには、(1)飼い主さんと一緒に過ごす時間に扉を開けたままのゲージを常に置いておき、自ら入ったらたくさんほめてあげる(2)おやつやおもちゃで誘導してゲージに入ってもらい、最初は3秒だけ扉を閉めてすぐ出してほめてあげ、次は10秒、その次は30秒……というように、徐々に扉を閉めていられる時間を長くする、といった方法もあります。
ご相談の飼い主さんは、サークルでお留守番の練習をさせている、とのことです。
わんちゃんがお留守番をするスペースの広さですが、前述の「縄張り意識」の話の通り、あまりにも広いスペースを与えられるよりも、ある程度仕切られたスペースで過ごす方が安心できるようです。
持ち運び用のゲージの中がわんちゃんにとって安心できる場所なのであれば、ゲージの中でお留守番させてあげても良いと思います。わんちゃんは、くるりと一回転できる広さがあれば数時間なら十分過ごせる、とも言われています。
ただ、飼い主さんが「お留守番が長時間になった時の排泄(はいせつ)のことが心配」「ゲージの中では狭すぎる気がする」と不安に思うのであれば、今のままサークルでお留守番してもらうのがベストだと思います。
ご相談のわんちゃんは分離不安ぎみとのこと。飼い主さんが不安に思うことが人(犬?)一倍伝わりやすいわんちゃんだと思います。飼い主さんが安心できる環境でお留守番させてあげてみてください。
広さの工夫もわんちゃんにとっての「安心できる条件」のひとつですが、飼い主さんのにおいがするもの(衣類など)やお留守番の時のためだけの特別なおもちゃを、一緒にサークルに入れてあげるなど、飼い主さんの工夫もとても大切な「安心できる条件」になります。
わんちゃんのお留守番後の様子をよく見て、「わんちゃんにとってどんなことが一番安心できるのか」をご家族で話し合って、安心してお留守番できる環境を整えてあげてくださいね。
(更新日:2007年09月25日)

高田由香(たかだ・ゆか) ドックアドバイザー

ペット可の集合住宅でのしつけ教室やセミナー、イベントの企画・運営などに携わり、「人間と犬が自然に共生できる社会」を目指して精力的に活動中。
カフェ&わんこの保育園&グッズショップ一体型「Parco del Cane(パルコ・デル・カーネ)」をご主人とオープン。愛する夫と愛する子供達(キースホンド1匹、コーギー2匹、ダルメシアン1匹)との6人(?)家族。趣味はサッカー観戦。イタリアセリエA「ACミラン」の熱烈サポーター!


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店名の由来=ワンちゃんの広場(イタリア語)
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