こんにちは、ドッグアドバイザーの高田由香です。
急に涼しくなってきましたね。今年の夏はとても暑く、ごはんをあまり食べなくなってしまったり、いつもだるそうにしたりしている犬・猫が多かったようです(私たち人間も同じだったと思いますが…)。
我が家で涼しくなってくると元気が倍増するのが、キースホンドのポン、ウェルシュ・コーギーのキャンディとアニー。この季節になると3匹はお散歩がとても楽しそうで、私の休日にはそれぞれとつい遠出をしてしまいます。
反対にだんだん寒くなって憂鬱(ゆううつ)そうになるのは、ダルメシアンのアシュー。4匹の中で唯一短毛種の彼は、寒さにとても敏感です。朝、「一緒にお仕事行こうよ!」と誘っても「えー? ボクはもう少し寝ていたいよ……」とベッドから出てこない日が出てきました。
思わず「男の子でしょ!」と言いたくなってしまいますが、こればかりは仕方ないですね。
今回のご相談は元気な日本テリアの男の子の飼い主さんからです。

オスの日本テリアを飼っています。まだ8カ月で、子ども好き、遊びざかりなこともあって、公園でよその子どもを見ると走って行って飛びついてしまいます。自分も小さい子を持つ母親ですから、幼児が飛びつかれたら、いくらじゃれついているだけだと思っても良い気分はしないと思います。どうしたらこの飛びつき癖を直すことができるでしょうか。
このご相談を拝見して、何年か前のアシューを思い出しました。今は落ち着いて寒いとまったく動かなく寂しいくらいのアシューですが、もう少し若い頃は、大きな体で嬉(うれ)しいとピョン!楽しいとピョン!人が来るとピョン! そこで「アシュー、やめてー!」と叫ぶと、いろいろなところに逃げられていました。
アシューの飛びつ癖きを直すために実践した方法を取り入れながら、アドバイスをさせて頂きたいと思います。
テリアくんはとてもお子さん好きなんですね。小さいお子さんが苦手なわんちゃんが多い中、それはとても素晴らしいことだと思います。その気質を失わないまま、落ち着いたお兄さん犬になってほしいですね。
まずは「対症療法」からお話しさせていただきます。
普段の生活から、誰に対しての飛びつきでも、何に対しての飛びつきでもいけないことなのだ、と理解させてあげましょう。
嬉しくて飼い主さんに飛びついてきたり、つかまり立ちをしたりするようなことがあったら、その都度注意してあげてください。そのとき、前脚を軽く押さえて「足!」「手!」など、飛びつきやつかまり立ちに対してだけの注意の言葉をかけてあげてください。興奮している時にでもその言葉で注意されると「あ、いけないことだった」と気がつきやすくなると思います。
また、飼い主さんに飛びついて来た時に「ダメ、ダメ」と過度に反応すると、遊んでもらえていると勘違いして、余計に楽しくなってしまうタイプのわんちゃんもいます。飛びついてきた時には過度に反応せず、冷静に「足、いけない」などの注意をしてあげて、やめたらたくさんほめて遊んであげるようにしてみてください。
そして、お子さんがいる公園で遊ばせてあげる時は、ノーリードではなくロングリードなどをつけて、何かが起こってしまう前に飼い主さんが未然に防いであげるようにしてあげてください。
テリアくんがお子さんに嫌われてしまうようなことがあるのはとてもかわいそうですし、そのお子さんが犬をこわがるようになってしまうのは、犬好きの私たちとしてはとても残念なことですもんね。
8カ月というと、おっしゃる通りとても元気で、いくら遊んでも体力的に満足しない、という感じだと思います。その体力的に満足しない部分をおうちでの「お勉強」に向けてみましょう。
テリアくんに習得してもらいたいのは、「どんなに嬉しくて興奮してしまっても、必ず飼い主さんに声を掛けられたら注意を向けること」です。
「お座りして待つこと」や「伏せをすること」は高ぶった気持ちをクールダウンさせる効果もあります。最初は落ち着いた環境であるおうちの中で、少しずつ練習してみてください。おうちの中で飼い主さんの指示が聞けるようになったら、お外でも練習をしてみてください。お外での練習は、最初は人通りや犬通りの多いテリアくんにとって誘惑が多い場所ではなく、静かなあまり人が通らないような所で。その次はいつものお散歩コースで、その次は大好きな公園で……というように徐々にステップアップしていってください。
公園でお子さんを見ても、飼い主さんが「お座り、待って」をさせ、お子さんがテリアくんと遊ぶ心の準備ができたら、「いいよ」の合図で一緒に遊べるようになるのが最終目標ですね。
飛びつきだけではなく、どんなわんちゃんにも一つ二つ「困った癖」があると思います。
いけないことはいけない、としっかり教えてあげなければいけないのはもちろんですが、「ダメ!ダメ!」と叱(しか)ってばかりなのは、飼い主さんもわんちゃんも楽しくありませんよね。
アシューの飛びつき癖を直す時に私が使った方法は、むやみやたらに飛びつく時はもちろんいけない、でも私の「ジャンプ!」の指示があったら、「おしまい」と言われるまで頭上まで伸ばした手にジャンプしてタッチできる(その手にはアシューの大好きな鶏のササミが握られています。ジャンプでタッチできたらササミをもらえます)、という方法です。
ササミをあげたりあげなかったりしながら、徐々に「ジャンプ!」の指示のときだけジャンプをして良い、というルールをアシューと決めました。そのうちに、私がアシューの顔を見て手をあげるとその手にジャンプするようになり、好き勝手に飛びついて困らせる、ということが少しずつ減っていきました。
テリアくんはジャンプが大好きなはずなので、何かジャンプを使った得意技を一緒に見つけてあげると、ジャンプをしたい気持ちも満たされると思います。
テリアくんはまだ8カ月。頭も柔らかく、いろいろなことを面白いように覚えてくれると思います。テリアくんには、飼い主さんが決めたルールは「家族の一員」としてしっかり守ることを教えてあげ、また飼い主さんもテリアくんの大好きなこと、反対に苦手なこと、落ち着くポイントなどを毎日の生活の中で見つけてあげて、どんどん絆(きずな)を深めてくださいね。
(更新日:2007年10月23日)

高田由香(たかだ・ゆか) ドックアドバイザー

ペット可の集合住宅でのしつけ教室やセミナー、イベントの企画・運営などに携わり、「人間と犬が自然に共生できる社会」を目指して精力的に活動中。
カフェ&わんこの保育園&グッズショップ一体型「Parco del Cane(パルコ・デル・カーネ)」をご主人とオープン。愛する夫と愛する子供達(キースホンド1匹、コーギー2匹、ダルメシアン1匹)との6人(?)家族。趣味はサッカー観戦。イタリアセリエA「ACミラン」の熱烈サポーター!


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