こんにちは、ドッグアドバイザーの高田由香です。
年末で慌ただしい季節ですが、皆様体調を崩していませんでしょうか?
飼い主さんが多忙で構ってあげられないとペットがストレスをためたり、睡眠不足だとペットもなんとなく一緒に睡眠不足になったり、飼い主さんの環境がペットの健康面に影響を及ぼすことが多々あります。忙しい季節ですが、ご自身の健康管理はもちろんのこと、ペットの健康管理もしっかりとしてあげて頂きたいと思います。
我が家の年末の一大イベントは大掃除。我が家は中、大型犬合わせて4匹の大所帯ですので、大掃除も大変です。物を少し動かせば、キースホンドのポンとコーギーのキャンディ・アニーの毛が絡まってボールのようになって出てきたり、ダルメシアンのアシューの毛が敷物にささっていたり……。4匹のケージやベッドをきれいにし、最後は4匹をお風呂に入れ、我が家の大掃除は完了しました。
寒さがどんどん増してきて、早朝や夜遅くのお散歩は飼い主さんがつらい季節ですが、今回はお散歩が苦手なわんちゃんからのご相談です。

1歳9カ月のイタリアン・グレイハウンドを飼っています。生後3カ月で飼い始めました。
生後約4カ月目に外出を始めてみたのですが、風が吹くたびに驚き、しっぽを丸めて地面に伏せをした状態で急に立ち止まってしまい、その後近所の大きな犬に吠(ほ)えられてからは家の敷地外に出た途端、引っ張っても足で地面に突っ張って、絶対にそれ以上進まなくなってしまいました。それ以来ずっと散歩嫌いです。今では手綱を見せるだけで家中逃げ続けます。芝生がある場所で放したり一緒に走ったりすると喜んでいるので、外に行くのは嫌いではないようにも見えます。
5分ほど抱っこして少し離れた場所でおろすと一応は歩き出しますが、帰りに家の近くになると、すごい勢いで走り出して早く帰りたがります。
イタリアン・グレイハウンド(以下、イタグレ)と言えば、元気に走り回るだけでなく、自転車で引き運動をしてもまだ足りない、というようなわんちゃんが多いことも確かですから、飼い主さんがご心配なさる気持ちは、とてもよくわかります。
イタグレさんのお散歩への苦手意識を少しずつ改善していく方法を考えていきたいと思います。
まずは、少しでもイタグレさんが快適な気持ちでお散歩できるよう、「対症療法」についてお話し致します。
イタグレさんがお散歩中に「こわい」と感じるものをなるべく消してあげて、苦手意識を少しずつなくしてあげる方法です。
イタグレさんが普段好きなことや興味を持つことは何でしょうか?
例えば、大好きなおやつがあるようでしたら、そのおやつを「お散歩の時にだけ食べられる特別なごほうび」にして、一歩進めたらごほうび、また一歩進めたらごほうび、と繰り返すようにします。また、興味を持つおもちゃがあるようであれば、飼い主さんがそのおもちゃを見せながら歩き、少し歩けたらおもちゃで遊ばせ、さらに歩けたらおもちゃで遊ばせ、を繰り返し、「お散歩」と「大好きなこと」を結びつけて考えてもらえるように促してみてください。
一歩一歩でなかなか歩けず、運動にならないように思いますが、たとえ体の運動が足りなくても、一生懸命考えながらがんばって歩くことで、相当「頭の運動」ができて心地良い疲れを感じることができることと思います。
一歩一歩でも進めるようになったら、イタグレさんがこわいと感じるものを少しずつ避けながら、お散歩の練習をしてみましょう。
吠える犬がいる場所をお散歩コースからはずす、人通りや犬のお散歩が少ない時間帯にお散歩する、イタグレさんが嫌いな寒い日や風が強い日などはお散歩はやめ、暖かく静かな日や時間帯を選んでお散歩の練習をする、など飼い主さんが工夫をしてあげてみてください。
また、手綱を見ると逃げ回ってしまうということですので、お散歩の時だけでなく、おうちの中で遊ぶ時やごはんを食べる時なども手綱をつけて、「手綱はお散歩の時だけつけるものだ」と思わせるではなく「おうちで楽しい時もつけることがある物だ」という意識を持たせるようにしてあげてください。
では次に、お散歩に対する苦手意識を根本から直していく方法をお話し致します。
このイタグレさんはとても感じやすい、ナイーブなわんちゃんなのだと思います。
自信を持ってお散歩できるように、お散歩中に起きるであろうこと、体験するであろうことを想定して、普段から少しずつ「慣れる練習」をしてみましょう。
まず、「音」に対してです。
お散歩コースで聞くような音(車の音や工事の音、子供の声など)がおうちの中で聞こえたときに、何も反応せず落ち着いていることができたら、それだけで「ごほうび」をあげ、音に対して「良いイメージ」を持ってもらえるようにします。生活音が収録されているCDもありますので、使ってみるのも良いと思います。
次によその「犬」に対してです。
広場で走ることは好き、とのお話ですので、ドッグランなどの自由に遊べる空間でよそのわんちゃんに会い、よそのわんちゃんの動きや吠え声に少しずつ慣れる練習をしてみてください。
一緒に遊ぶのをこわがってしまうようでしたら、最初はドッグランや広場で遊んでいるわんちゃんを「見学」するだけでも、十分「犬慣れ」のお勉強になります。
最後は「外の環境・お散歩コース」に対してです。
外の音や雰囲気など全般的に慣れてもらうため、抱っこしたりキャリーバッグに入れたりして飼い主さんと歩いてみてください。「飼い主さんのお散歩に一緒にお付き合い」というようなイメージだと、楽しく外に出ることができるようになると思います。
その際に、お散歩の途中で歩かなくなったら抱っこしたりキャリーバッグに入れたりすると、「こわいから抱っこして! 歩きたくないからキャリーバッグに入れて!」と逆効果になる可能性があるので、抱っこやキャリーバッグでお散歩と決めたら、その日はずっと抱っこ、キャリーバッグのままにしてみてください。
「犬はみんな散歩が大好きなもの」と思われがちですが、いろいろな子を見ると一概にそうは言えないことがわかります。
私が先生をしている犬の保育園でも「お散歩行くよ!」と言うと喜んで飛び回る子がいる一方、「えー、面倒くさい…」とケージに隠れてしまう子、首輪をつけたり手綱をつけたりする準備の最中は大喜びなのに、外に一歩出ると「どうして歩かなきゃいけないの?」と歩くことを拒否する子など様々で、十人(匹?)十色なのだなあ、と思います。
お散歩で「体の疲れ」を得られない分、おうちの中で頭を使うトレーニングをして「頭の疲れ」で気持ちを満たしてあげる方法もあります。
イタグレさんのお散歩嫌いも「個性のひとつ」くらいに軽く考え、焦らず無理せず、気長に慣らせてあげてください。
(更新日:2007年12月25日)

高田由香(たかだ・ゆか) ドックアドバイザー

ペット可の集合住宅でのしつけ教室やセミナー、イベントの企画・運営などに携わり、「人間と犬が自然に共生できる社会」を目指して精力的に活動中。
カフェ&わんこの保育園&グッズショップ一体型「Parco del Cane(パルコ・デル・カーネ)」をご主人とオープン。愛する夫と愛する子供達(キースホンド1匹、コーギー2匹、ダルメシアン1匹)との6人(?)家族。趣味はサッカー観戦。イタリアセリエA「ACミラン」の熱烈サポーター!


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店名の由来=ワンちゃんの広場(イタリア語)
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