ドッグアドバイザーの高田由香です。新年明けましておめでとうございます。本年も「ペットなんでも相談室」をよろしくお願い致します。
お正月、読者の皆さんはペットとどのように過ごされましたか? ペットと一緒に行ける施設が増えてきているので、一緒にお出かけをして楽しんだ、という方も多いのではないかと思います。
私もお正月休みは4匹と一緒にあそこに行こう、ここで遊ぼう、と考えていたのですが……なんとこんな大事な(?)時に風邪をひき、1月1日の夜中から熱を出してしまいました……。おかげでお正月三が日、ずっと寝込むことになってしまいました。
4匹は「えー、どこにも行けないの?」と最初は少々不満顔でしたが、家の中で4匹でじゃれ合ったり、私と一緒にテレビを見たりとのんびり過ごしてくれました。
お正月休みに私とべったりだった4匹はすっかり甘えんぼになり、一番年上のポンまでが「お母さん、抱っこしてほしいの」とひざにのってくるようになってしまいました。
さて、早速2008年最初のご相談をご紹介致します。

「我が家の犬はミニチュアピンシャーとチワワのミックスです。現在推定4歳のオスとメスの兄弟で施設から引き取りました。きっと子犬の時からずっと一緒だったのだと思います。
先日、ドッグパークに連れて行った時、メスの方が他の犬に対してとても攻撃的になることを発見しました。いかつい顔をしてうわっと吠(ほ)えながら他の犬に飛びかかろうとします。とても体が小さいのですが、犬の大きさはお構いなしに向かっていきます。
相手の犬も飼い主さんもびっくりして嫌な気分になるでしょうし、何が起こるかわからないのでどうにか直したいものなのですが、いかがでしょうか?」
ご相談を拝見して、わんちゃんたちが我が家の犬たちと重なってしまいました。強がって頑張ってしまう責任感の強いお姉ちゃん犬は、コーギーのキャンディととても似ていますし、施設から迎え入れられたところはキースホンドのポンとダルメシアンのアシューとよく似ています。それなので、飼い主さんがお困りのこともとてもよくわかりました。
飼い主さんとわんちゃん2匹に快適で楽しい「ドッグライフ」を送っていただけるよう、アドバイスさせていただきます。
以下、メスのわんちゃんを「お姉ちゃん犬」、オスのわんちゃんを「弟犬」と呼ばせていただきます(本当は反対かもしれませんが、女の子の方がお姉ちゃんのような気がしてしまいました)。
飼い主さんがご心配されている通り、体が小さいお姉ちゃん犬が体の大きい子に向かっていってしまうのはとても危険です。体の大きい子に「キミ、失礼だな!」と本気でしかられてしまったらケガをしてしまうこともあるかもしれません。
お姉ちゃん犬自身がケガをしたり事故に巻き込まれたりしないように、そして相手のわんちゃんを加害者にしないために、まずはすぐに実践していただける「対症療法」をお話しいたします。
ドッグパークなどの引き綱をつけないで遊ぶことが出来る施設でも、相性が悪そうな子がいたり、お姉ちゃん犬が吠え始めたりするようだったら、引き綱をすぐにつけるようにしてください。
引き綱をつけたままで、どのあたりまでならよその子に吠えずに近付けるか、飼い主さんと一緒に試してみましょう。
少しずつ近づいて行って、吠えずに落ち着いていられたら、たくさんほめてあげたりごほうびをあげたりして距離を少しずつ縮めていき、よその子に吠えずに近づく練習をしてみることをおすすめします。
お姉ちゃん犬が、「他の子に違和感や不快感を覚えない距離」を知っておくことはとても大切です。その距離を知っておくことで、お散歩中などによその子に遭遇した場合にも、上手に距離を取ることができれば、未然に吠えてしまうことを回避することが出来ます。吠えを回避することが出来れば、ほめてあげる回数が増えて、飼い主さんもお姉ちゃん犬も楽しくなりますよね。
お姉ちゃん犬が吠えてしまうことには理由があるはずです。お姉ちゃん犬の気持ちを考えて根本から問題を解決する「原因療法」を考えてみましょう。
お姉ちゃん犬の場合、本当は怖いのに「あっちに行ってよ! 私、強いのよ!」と一生懸命頑張って相手の子を追い払おうとしているのではないか、と思います。
怖いと感じているのに吠えて相手を威嚇してしまう……その原因の多くは、そのことを「自分の仕事、自分の使命」と感じて頑張ってしまっているからです。自分が怖いだけならば、飼い主さんに「怖いから抱っこして!」とせがんだり、ドッグパークの隅に逃げたりしてしまうことができますよね。
では、自分が強いふりをして、何をよその子から守らなければいけないと考えているのでしょうか?
様々なケースが考えられますが、例えば飼い主さんを守ろうとしている(飼い主さんと二人きりでドッグパークに行った時に攻撃的になる、よその子が飼い主さんに近付いて来た時に攻撃的になることが多いなど)のであれば、飼い主さんが「私はあなたよりも大きいし、強いから大丈夫」と理解させてあげる必要があります。
日々の生活の中でほんの些細(ささい)なことでも飼い主さんが主導権を握り、家族で決めたルールをお姉ちゃん犬にしっかり守ってもらうようにしてみてください。
また、飼い主さんがよその子をなでたり、かわいがったりしている姿を見せて、「私はよその子のことが好きで、怖くないから大丈夫」と安心させてあげるのも良いと思います。
その他に考えられるのは、弟犬くんを守ろうとしている場合です。
わんちゃんたち2匹には、施設という特定の家族がいない状況の中で、うれしい時も悲しい時も2匹で身を寄せ合って暮らしてきた背景があります。2匹の間には想像できないほど深い深いきずながあることと思います。
それゆえ、たとえよその子が何もしていなくても、「弟に何かあったら大変! 私が怖いものは弟も怖いに決まってるわ! 先制攻撃して、よその子を追い払っておかなくっちゃ!」と無理してしまうケースが考えられます。
多頭飼いのおうちで、1匹がほかの子を守ってよその子に攻撃的になってしまうことはよくあります。この場合、少しお互いの距離を作って、相手を少し離れたところから見られるようにしてあげることをおすすめします。
いつも一緒に行動させるのではなく、お散歩を別々にする、おうちの中で1匹ずつトレーニングするなど、飼い主さんとそれぞれの時間を意識的に作って、犬同士の結びつきだけではなく、飼い主さんとそれぞれの結びつきを強くするようにしてみてください。
離れたところから相手を見られるようになると、今まで一生懸命一方を守っていたほうの子が「あれ、あの子、意外と強いみたい。私が守らなくても大丈夫かもしれないな」と気付いたり、兄弟以外の子に目を向けて「よその子の中にも気が合う子がいるんだな」と気付いたりできるようです。
お姉ちゃん犬への「原因療法」は、ずばり「様々な不安を取り除いてあげること」。
相手に攻撃的に出てしまうのは不安の裏返しなのだと思います。人間もそんな時がありますよね。
今まで頑張って弟犬くんを守ってきたおねえちゃん犬に、「もうあなたには強いお父さんやお母さんがいるから、強がらなくても大丈夫」と安心させ、たくさんほめて自信をつけてあげて欲しいと思います。
安心させるには、飼い主さんが主導権を握ることのほかにも、スキンシップがとても大事です。
一日に一回はぎゅっと抱きしめて、「あなたが大好き、あなたはとっても大切な家族、あなたがうちに来てくれて本当に良かった」という気持ちを伝えてあげてくださいね。私もいつもそうしています!
(更新日:2008年01月22日)

高田由香(たかだ・ゆか) ドックアドバイザー

ペット可の集合住宅でのしつけ教室やセミナー、イベントの企画・運営などに携わり、「人間と犬が自然に共生できる社会」を目指して精力的に活動中。
カフェ&わんこの保育園&グッズショップ一体型「Parco del Cane(パルコ・デル・カーネ)」をご主人とオープン。愛する夫と愛する子供達(キースホンド1匹、コーギー2匹、ダルメシアン1匹)との6人(?)家族。趣味はサッカー観戦。イタリアセリエA「ACミラン」の熱烈サポーター!


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