川崎
先ほど、阿部さんがバスルームのリフォームのお話をなさっていましたが、実は私は一年中太陽の見えるバスルームが夢なんです。
阿部
露天風呂感覚ですね。
川崎
そうそう。大きな窓、そして天井はガラス張りのオープンエアなバスルーム。天窓からは一年中太陽が見えて、自然光をふんだんに楽しめる。高台なら、溢(あふ)れる緑の傾斜地をゆったり眺められるでしょう。秋から冬はキャンドルを灯(とも)して、季節ごとに変わりゆく星空を楽しむのもすてきでしょうね。
阿部
ロマンティックだね。でも実際そういうリクエストは多いですよ。ぜひご相談下さい。

大川
リフォームって楽しいですよね。私のアトリエは中古マンションなので、自分で壁にペンキを塗ったり、棚を付けたり。キッチン前のブリックタイルも悪戦苦闘で張った、完全にハンドメイドのリフォームです。
川崎
私のパリの友人達も、自分達で年中家をいじっているわね。
阿部
彼等は、家は住む人と共に変化して育っていくことを知っている。大川さん、次にやってみたいことは何?

大川
実はキッチンが二つほしいですね。ドアを挟んで、右左に同じキッチンが二つあるのが理想です。キッチンって全部終わってきれいにしても、途端に家族が飲みかけのグラスを置いたりするでしょう。キッチンが二つあれば、今日こっちは閉店! という具合に片付けられる。それに普段使いはここ、ゲストが来たときはこちらと使い分けもできるでしょう。現実的には、普通のキッチンと、シンクのあるコンパクトキッチンという合わせて1.5くらいのサイズになるかもしれませんけど。
阿部
実に料理研究家らしい希望だね。要するにリフォームは、より自分らしく生きるための手段なんですよ。
川崎
そうですね。阿部さんのお宅は築30年、住み手になじんだすてきな一軒家と伺いましたが、もうやりつくした感じですか。
阿部
いや実は今ね、屋久島に夢の小屋を建てていまして。友人と10年以上のんびりやっているので、いまだ未完ですけど。この家の中心から、だーっと一直線に歩くと渓谷があるんですが、そこに突き出るような風呂を計画しているんです。この風呂に入ると、不自然なものは一つも見えない。何もせずに、ただただ自然と親しむ、私にとって最高に贅沢な時間をかなえてくれる場所なんです。いつ完成するか分からないんですが。
川崎
みなさんのお話を伺っていると、住まいに対する夢はますます膨らみます。

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