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秋篠野さんが空間・環境デザインの仕事に携わるようになったのは、26歳の頃、広島でドラッグストアをはじめたのがきっかけだった。舶来の雑貨や菓子、食器、化粧品などを扱う店はまだめずらしく、ほどなくして食器を納めていたレストランチェーンからセッティングのアドバイスを頼まれるようになったのだという。テーブルコーディネートという言葉もなかった頃のことだ。やがてコーディネーターの草分けとして東京からも依頼の声がかかり、手掛ける仕事はテーブル上から空間全体へと広がっていった。
全国を忙しく行き来し、精力的に働き続けてきたが、4年前、体調を崩して地方の空港で倒れた。急性膵炎(すいえん)だった。
「それまで自分の体力を過信してたんです。食べ物にも気を遣わず、睡眠も3、4時間で、それでも大丈夫だと思ってました。けれど、退院して1年半後にまた救急車で運ばれることになって」
それからは、「基本的な生活スタイルをきちんとしようと」毎日の食事やくつろぎの時間を大切にするようになった。食材は有機野菜などを中心に旬のものを多く採り入れ、お茶をいれる湯は、鉄分がとれるよう鉄瓶でわかす。朝と晩には香りのよいハーブを生けたバスルームで30分の半身浴。皮膚に無用な負担をかけたくないから、メイクも最小限に。石けんで洗顔し、ファンデーションは塗らない。
「睡眠時間は相変わらずですが、生活全般を見直した今はとても体調がいい。肌のシワも10年くらい前より減ったんですよ」

訪れた日に用意してくれたのは、夏におすすめというフレッシュハーブを使ったお茶。ミントとバニラミントをポットに入れてお湯を注ぐ。甘くさわやかな香りに、ほっと気持ちがなごむ。
「誰もがストレスを抱えている時代ですから、意識して心にも体にも気持ちのいい環境を作っていくことが大事なんです」
穏やかに微笑みながら話す言葉は、感性で時代をキャッチし続けてきた人ならではの力強さだ。

大勢が集まる時はバルコニーでパーティを開くことも多いという秋篠野さん。夕暮れにはガラスにキャンドルを入れてずらりと並べ、光の道を作る演出も。広い空間でこそ映える美しさは、訪れた人にも大好評だとか。

秋篠野 安生(あきしの・あき)
広島県生まれ。コーディネーションアカデミージャパン主宰。空間・環境デザイナーとして国際会議や政財界のレセプションデザイン、食空間デザインなどを広く手掛ける。著書に「あいの食卓」「花と食卓とインテリアと」「素敵におもてなし」(文化出版局)など。
11月28日にはホテルニューオータニで「美しく生きる・五木寛之トークセミナー」開催予定
(問い合わせ先 コーディネーションアカデミージャパン TEL:03-3239-7719)
秋篠野さんの公式サイトはこちら http://www.akishino.net/

文 :秋川 ゆか
写真:川崎 太郎
(更新日:2006年07月21日)
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