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広い園庭の残る幼稚園を住まい兼アトリエに

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園庭の木々がそのまま残る平屋

造形作家の真鍋武(たけし)さんは、幼稚園に住んでいるという。古い民家を改装して暮らす芸術家はときおりいるものだ。しかし、幼稚園……? 茨城県龍ヶ崎市の広大な田園地帯、訪れた住まいは幹線道路からちょっとだけ奥まったところにあった。

横長の、こぢんまりとした白い平屋。幼稚園としてはかなり古いタイプのようだ。建物の前にはひろびろとした芝の庭がある。園の運動場だ。庭の隅にあるのはコンクリートの水飲み場。蛇口が5つ並んでいる。ああ、こんなのがあったな……と近づくと、その造りの小ささに驚きつつ、子供のころの記憶が、ふとよみがえってくる。

「ここは妻の祖父母がはじめた幼稚園で、いつごろ建てたものかよくわからない。妻もここの園児だったんですよ」

園児が増えるにつれ、徐々に建て増ししてきたものらしい。建物は作った時期が違う3つのスペースに分かれている。やがて1970年代中頃に閉園。十数年間そのまま放置されていた園舎で、真鍋さん夫婦が暮らし始めたのは14年前のことだ。

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ゲストルームからデッキを眺める

手製のウッドデッキから建物に入る。中はもともと教室が4部屋と、ふだんは2教室に分けて使っていた講堂、職員室があったそうだ。入り口には小さなマス目が並ぶ靴箱。今は棚として使っている。建物の壁も靴箱も、長年のうちに古びた木の表面を白くペイントした。

最初に建てられた1教室がリビングダイニング。中はゆったりと広い。板張りの床も、建てた当時のまま。バスルームとトイレは、スペースを区切って作った。横にある職員室だった場所は台所だ。

「もとの建物には水場がなくて。台所と浴室回りは、住むことを決めてすぐに作ってもらいました」

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子供部屋と寝室の仕切り棚は靴箱を利用

プロに依頼したのはそれだけ。ほかはすべて夫婦2人でリフォームしてきたのだという。ウッドデッキに面した講堂は仕事場。床はコンパネを敷き、壁と天井も塗った。奥にある、最後に建てられたモルタル造りの教室はゲストルームだ。作品を飾り、ソファを置いて、くつろげる空間を作った。そして最近改装を終えたばかりなのが、アトリエの裏の教室を使った子供部屋兼寝室。きれいに塗り替えた壁際にデスクを並べ、靴箱を利用した間仕切りも作った。

「手つかずの教室はあとひとつ。当面は物置にしています」

少しずつ手を入れて暮らしてきたこの年月、ここで生まれた2人の息子は11歳と9歳になった。広い園庭は、今も子供たちのかっこうの遊び場だ。

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