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Vol.35 古いものにひかれて集め続けた「コンペイトウ瓶」コレクション 栗原英次さん・洋子さんを訪ねて

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大正・昭和の「菓子入り玩具」に魅了されて

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診療所2階にある通称「おもちゃ部屋」

古いおもちゃや日用雑貨を集める人たちがいる。「骨董(こっとう)」とまでは言えないのだが、今では手に入れるのが難しい品々。子供のころに家にあったような、どこか懐かしいもの。それはブリキのロボットだったり、ガラスの薬瓶だったり、振り子時計だったり。

駅弁容器や箱根細工、ぬりえ、レコード、オハジキまで、どんなものにもコレクターがいるものなんです」

神奈川で歯科医を開業する栗原英次(えいじ)さんの、自慢のコレクションはコンペイトウ瓶。かつては中にコンペイトウを入れて売っていたものだ。子供が喜ぶ凝ったデザインの容器は、食べ終わった後は遊び道具になる。自動車型ドロップ缶やサイコロキャラメルなどと同様、お菓子とおもちゃの両方が楽しめるこうした品は、「菓子入り玩具」と総称されるそうだ。

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英次さんの著作「いろはにコンペイトウ」

英次さんがこれまでに集めたコンペイトウ瓶は300点以上。2年前には、コンペイトウそのものの歴史までも織り込んだ本「いろはにコンペイトウ」も書き上げた。これはぜひ、実際に見せてもらいたい。

待ち合わせは、日々の仕事の場である診療所の前。

「家に行く前にこっちもちょっと見ますか」

うながされて玄関を入る。13年前に近くに自宅を建てるまでは、住居を兼ねていた建物だ。日中は夫婦ともこちらで過ごす時間が長いため、室内は今も事務所兼住まいの様相を保っている。ところが2階に上がると……。

「ここはおもちゃ部屋なんです」という1室は、壁全面にガラスケースが 置かれ、中にはブリキのおもちゃがぎっしり。自動車、飛行機、人形、ロボット、動物。小さなものも、大きなものも。

「昔、仲間と競い合って集めたの。でも、ブリキのおもちゃはすごいコレクターが何人かいて。かなわないからやめました」

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診療室の棚にもコレクションが並ぶ

別の部屋ものぞいてみる。以前は子供部屋だった和室には、木製の氷冷蔵庫、氷かき、アイスキャンデーの木箱、「氷」の文字が入ったビーズのれん、氷コップ……。

「氷ものも集めた時期があったんですよ」

 天狗(てんぐ)煙草の長持ちや自転車、オートバイといった大物もある。さらに隣の部屋には置き時計、看板、ブリキ缶、菓子の陳列棚なども。

「骨董市などでおもしろいものが出ると、なんでも一応買っておくんですよ。でも、こうしていろんなものに手を出し過ぎてね。どのコレクションも相撲で言えば『小結』程度」

とはいえ、どれも好きな人にはたまらないものばかりだ。

「診療室にも少し飾って、患者さんにも楽しんでもらっています。以前に来た方が、前のロボットはどこにいったの、なんて聞いてくれるの」

ていねいなつくりや、独特の色使い。ひとつひとつ見ていると、どんどん時間が過ぎていく。これではいっこうにコンペイトウ瓶まで行き着けない。

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