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Vol.40 20代から手をかけ乗り続けた車は職人の手技が生きる「幻の2000GT」 斉藤正典さんを訪ねて

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専用ガレージの奥に輝く真っ白な車

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なめらかな曲線が美しい車体

トヨタ2000GT。この名前に胸をときめかせる人は、今も多いことだろう。国産高級スポーツカーの先駆けとして1967年から70年にかけて生産され、世界が注目した伝説の名車だ。生産台数はわずか337台。かつてスーパーカーブームをリードした車のひとつであり、数多くのレースで活躍したほか、映画「007は二度死ぬ」では、ジェームス・ボンドを乗せたことでも知られる。

斉藤正典(まさのり)さんが、この車を手に入れたのは20代の時。以来、30年以上にわたって大切に乗り続けているという。

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ガレージの入り口は古い蔵の木戸

訪ねた住まいは、都心にある住宅地。玄関ドアを開くと、洋風の外観とは一変して、古材を使った梁(はり)と珪藻土(けいそうど)の壁に囲まれた空間がひろがる。ホールにはどっしりとした車ダンスや招き猫の置物。古いガラス器もそこここに飾られ、ちょっとした骨董(こっとう)ギャラリーの風情である。この家は、斉藤さんが45歳の時に、自らデザインしたものだとか。ほどよく採り入れた和のテイストが心地いい。

横には、格子の木戸がある。

「これは、旧家の蔵に使われていた中戸なんです。ふだんの出入りには格子戸を使い、大きなものを入れる時は、全体を引き戸として動かせる。昔のものはよくできていますね」

漆塗りもつややかなこの木戸が、自慢の車を納めたガレージへの入り口だ。

コンクリート打ちっぱなしのガレージ内は、とにかく広い。木戸をくぐって、まず目に入るのが、真っ赤なスポーツカー。フェラーリ308GTBだ。街ではなかなか目にすることのない1台。その精悍(せいかん)なフォルムは、まさにフェラーリならではだ。

そして、その奥に置かれているのが、2000GT。ペガサスホワイトと名付けられた白い車体が、少し暗めの照明の下で、なめらかな光を帯びる。

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ガレージ内にはフェラーリもある

「この壁のコンクリートの色、ちょっと普通と違うでしょ」と斉藤さん。

確かに若干しっとりとした色だ。

「コンクリートは10年たつと真っ白になってしまう。乾く直前のうっすら湿った色合いを保ちたくて、少し緑色を混ぜているんです」

愛車を美しく引き立たせるためのアイデアなのだ。

ほかにも数台の車を保有する斉藤さんだが、この2000GTは別格。移動するためではなく、走ることを楽しむための車だ。忙しい時期は、乗る機会は月に一度あるかないか。でも、その日は箱根や湾岸道路、あるいは裏磐梯など好みのルートを選んでは、ひとり風を切る。

「ほかの車にはない感覚。シートに座った瞬間から、俺は今GTに乗っているんだと、匂(にお)いと視覚で感じるんです」

いつもの生活を離れ、存分に車と対話する時間だ。

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