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「自分が亡くなった後のお金の話を妻としたことがありますか?」
 多くの男性は、「自分はまだ生きているのに、死んだあとのお金の心配をするのか!」とお怒りになるかもしれません。でも、女性の平均寿命は男性よりも長く、夫と死別した妻は、それから10年以上も、自分一人で生きていかなければなりません。
 2050年、85歳以上の人口を男女比で見ると、女性は男性に比べてはるかに人数が多く、高齢者女性のおひとり様が急増すると予測されています。そのような時代に向けて、今、何をすればよいのか。フィデリティ退職・投資教育研究所所長の野尻哲史さんに、話をうかがいました。

アラフォー世代の老後

アラフォー世代の老後は、どういう景色になっているのでしょうか。

今、40代の人たちは、「そんな先のこと考えたこともない」というところなのだと思いますが、いろいろな統計データを見ると、どうも大変な時代になりそうだということが分かってきました。

野尻哲史さん

国連データベース「World Population Prospects,2008 改訂版」には、非常に注目すべき数字が表れています。それは、2050年の日本の人口ピラミッドで、85歳以上の男女比に、大きな偏りが見られるということです。

数字で言うと、85歳で存命中の男女の人口は、女性が665万人。これに対して男性が314万人です。男性に比べて女性の方が長生きするものですが、それにしても、これだけのアンバランスが生じてしまいます。今から40年後の日本では、女性高齢者でおひとり様が当たり前という時代になりそうなのです。

まだピンときませんか? 2050年に85歳ということは、今の時点で45歳の人たちが該当します。つまり、このサイトを見て下さっている方にとっては、極めて身近な問題になってくるのです。

今回、私が所長を務めているフィデリティ退職・投資教育研究所では、6625人の女性を対象にしたアンケートを行いました。これによって浮かび上がってきた、高齢社会と女性、そしてお金の問題。その解決方法などについて、考えてみたいと思います。

高まる年金不信

これは、調査を行う前から予想されていたことですが、老後の生活に対して不安感を抱いている方が非常に大勢いらっしゃいます。

退職後のイメージとしては、「のんびり・マイペースな生活」が全体の49%を占めました。そういう生活を望んでいるということですが、一方で「退職後のイメージは楽しいものですか、それとも不安なものですか?」という問いに対しては、かなり不安、やや不安を合わせると、全体の52%が不安を抱いていることが分かります。

では一体、何に対して不安を抱いているのでしょうか。これについては断トツでお金の問題でした。複数回答で答えてもらったところ、全体の72%が「十分な資金的蓄えが退職までにできないこと」、同67%が「年金が減って、当てにできなくなること」という結果になりました。

本来、老後の生活資金は、ある程度年金でまかない、不足分は貯蓄で補うという形になるのですが、年齢層が低くなるほど、年金をあてにしていないという事実も、数字に表れています。全体で見ても、「現在の支給額と同程度の年金は、政府が何とかすると思う」という回答は、わずか4%。それに対して「現在の支給額からは少し減ると思う」が23%、「現在の支給額から大幅に減ると思う」が51%、「年金制度は維持できなくなり、全くもらえなくなると思う」が13%で、全体の87%が、今よりも年金額が減ると思っています。日本の年金制度に対する信頼感は、地に落ちたといえるでしょう。

では、自分自身で何か対策を講じているのでしょうか。特に女性の場合、高齢者でおひとり様になる可能性が高いので、老後の資産形成が大事な意味を持ってきます。

子供が独立し、夫に先立たれた後、自分の老いがやってくるわけですが、おひとり様になった女性の面倒は、誰が見てくれるのでしょうか。「自分が介護されるようになった時、誰に介護されたいですか?」という質問に対する回答は、何と全体の70%がプロフェッショナルに頼むというものでした。子供に介護されることを望んでいる人は、わずか8%です。当然、プロに自分の介護を頼むのであれば、相応のお金が必要になってきます。年金は当てにならず、介護はプロに依頼するというのであれば、少しでも早い時期から、老後を視野に入れて資産形成をする必要があります。

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