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賢いお金の知恵

丸山晴美さんに聞く 人生を豊かにするための節約と運用術(上)

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食品や生活必需品の値上がりが生活を直撃している中で、「やりくりだけでは家計が物価に追いつかない」という声が社会から聞こえてくるようになりました。「デフレ時代と比べると、確かに今は節約の効果が表れにくい時代。だからといって日々の出費に気を遣わなければ、今日明日のやりくりだけでなく、セカンドライフの生活資金の不安も大きくなります」というのは、節約アドバイザーの丸山晴美さん。切り詰めだけでは楽しくないこれからの長い人生を明るくする、お金との付き合い方のヒントをうかがいました。

運用も節約も夫婦で目標の共有を

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丸山晴美さん

以前から私は、お金のため方には「働いて収入を増やすこと」「節約をすること」「投資で運用すること」の3つの柱があるとお話ししてきました。今の日本のように働いても収入が上がらず物価だけが上がっていく状況では、節約だけでは老後の生活資金の確保がちょっと難しく、60歳以後も働いたり、運用でお金に働いたりしてもらう必要がある方が増えているのは紛れもない事実です。ただし、忘れてはならないのは、節約は誰でも、いくつになってもできる「生きていくための基礎生活力」だということです。

多くのご家庭では、家計のやりくりは奥さんが、中長期的な運用に関してはご主人がそれぞれ任されて、お互い何をしているのかよくご存じないのではないでしょうか。節約も運用もやみくもに行うだけでは効果的とはいえません。例えば60歳で定年退職した場合、部分年金しかもらえない65歳まで夫婦の生活費がだいたい1800万円。平均寿命まで生きるとすると、4000万円ぐらいの蓄えが必要だといわれています。一方、世帯主がリタイアされた60歳以上の二人以上世帯の実収入は、年金を中心に1カ月平均22万6千円。しかし実際にかかる消費支出は約25万円で、不足分に関しては預貯金を切り崩していくことになります。セカンドライフの夢や必要な資金額は皆それぞれ異なりますが、夫婦で明確な目標を共有し、それに向かって力を合わせるとことで、節約が目先の生活防衛だけでない、長い人生にわたって意味のあるものになると思います。

節約は健康につながる生活習慣

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男性の方の中には節約というと、「しみったれている」と抵抗感を示す方もいらっしゃいます。しかし実は、節約は家計の健康だけでなく、お年をとるほど心がけたい身体の健康、心の健康につながるものです。象徴的なのが、節約の基本ともいえる食事ですね。私が提案している節約の基本は、食べたら消える(外食)、飲んだら消える(お酒やドリンク類)、吸ったら消える(タバコ)、すったら消える(ギャンブル)の「4つの消えもの」の見直しです。インフレの時代になり、外食を自炊中心に切り替えることにより節約効果が上がり、さらに、お米と野菜を中心としたバランスのいい食生活を家庭で実践すれば、外食では取り過ぎになりがちな動物性脂肪や塩分も控えられ、生活習慣病の予防にもなるでしょう。

今小麦の価格が上がっていることも、お米のよさを見直す機会ととらえてはどうでしょうか。パン食というのは、実はおかずのバリエーションがあまりないのですね。でも、ごはんのおかずのバリエーションはとても豊富ですし、安くて新鮮な旬の食材を使うことでいろいろ工夫できます。団塊世代以降の方々にはこれは難しいことではなく、ご自分が育ってきた時代の食生活に戻るということです。それだけで節約になると同時に、健康的な生活習慣につながり、将来的な医療費負担の節約にもなるかもしれません。自立した生活ができる健康寿命を延ばすということに、節約が一役買えるわけです。

モノのない時代の知恵を後の世代へ

特にリタイア世代に私がお勧めしているのは、「手作りをする」ということです。私自身も母や祖母の世代の昔ながらのちょっと手のかかる家庭料理を習いたいと思いますし、男性の方にも例えばそばとかうどんとか、やってみたい料理ってあると思います。自分が手作りしたものをご近所の方やお孫さんにふるまって、家にこもりがちなリタイア後の生活に交流の輪を作る。それは自分自身にも老後の生きがいになるでしょうし、下の世代に対するひとつの食育になると思うんですね。ものが潤沢にあったわけではない環境の中で、食事も遊びもいろいろ工夫をされてきた知恵は、これからの時代にきっと役立つと思いますし、「まだまだ自分も行けるぞ」という前向きな気持ちにもつながるはずです。

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