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お金と向き合う

なりたい自分になるための心得 その1 乗り遅れ意識は無用。でも知らないと将来は格差も <前編>

税負担の増大や公的年金の減額が見込まれる将来。“今までの蓄えと退職金だけで、自分たちの世代は逃げ切れるのか”と不安を抱えているよりも、将来を見据えて現状を把握し、退職後に備えることが大切だ。このシリーズでは“浮利を追うこと”を嫌う40〜50歳代に知ってほしい金融知識と正しい運用の心構えを、金融庁の話を交えて紹介する。

自己責任の時代を乗り切る知恵を

改めて、40〜50歳の人たちが、「いま投資を学ぶこと」が、なぜ大切かを考えてみよう。日本の個人金融資産、つまり「家計」の中にあるお金は約1,500兆円。その大半は50歳代以上の世代が保持している。しかし、私たち日本人はその資産の半分以上を現金あるいは預金で蓄え、株式や債券などで運用するという意識が欧米に比べるとまだ低い。

日・米・独における「家計」金融資産の国際比率

金融庁総務企画局政策課の野崎英司氏は「現在の社会環境は、年功序列で給料が上がり、老後は退職金や公的年金で多くの人が暮らせた時代から激変した」と語る。ひとつの背景は、少子高齢化社会の到来だ。日本の人口は2005 年にマイナスに転じ、そのトレンドを維持したまま、2100 年には現在の半分の6,000万人台にまで落ち込むと予測されている。社会を支える若年の働き手が減る中で、人生の後半戦を迎える人々は、老後のための防衛意識を自分でもたなくてはならない。

「金融環境も変化しています。金融機関にお金を預けていてもわずかな金利しかつかない超低金利時代が続き、さらに昨年4月にはペイオフが解禁され、銀行が破綻した場合には、当座預金や利息のつかない普通預金を除き1,000万円を超える預金は戻ってこない可能性もあります」(野崎氏)

自分のお金は自分で面倒を見る機会が増え、その結果、上手く運用できる人と、そうでない人の間で差が広がることが予想される。

「投資しない」リスクがある時代

退職金や公的年金など、入ってくるお金が減るのと同時に、これからは出ていくお金が増えていく。国民年金保険料は、すでに2005年度から毎年度280円ずつ引き上げられ、2017年度以後は月額1万6,900円になる予定だ。一方、税金はとみると、定率減税が2007年度から廃止される予定で、年収600万円、夫婦と子ども2人の家庭で年約5万円の実質的な増税。さらに所得に応じてかかってくる国民健康保険料などの負担も増えていく。

特に見逃せないのは、今年成立した医療制度改革法に盛り込まれている「高齢者医療費の負担増」だ。10月から、70歳以上の高所得者は、現役と同等の3割負担となる。さらに2008年4月以降は、70〜74歳以上の一般所得者も1割から2割に負担割合が引き上げられる。

世の中には景気回復の実感が生まれているが、一時期の経済の浮き沈みとは別に、私たちの人生は一生涯続くもの。40歳代からの資産運用は、短期でリターンを求めるのではなく、将来に備えるための中長期的な考え方が基本だ。乗り遅れ意識は必要ない。ただし、退職後や老後に備えて、いまから正しい金融知識を身につけておくことが大切だ。

(更新日:2006年07月10日)

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