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お金と向き合う

なりたい自分になるための心得 その4 バランス考えて投資。自分に合う組み合わせを選ぶ

税負担の増大や公的年金の減額が見込まれる将来。“今までの蓄えと退職金だけで、自分たちの世代は逃げ切れるのか”と不安を抱えているよりも、将来を見据えて現状を把握し、退職後に備えることが大切だ。このシリーズでは“浮利を追うこと”を嫌う40〜50歳代に知ってほしい金融知識と正しい運用の心構えを、金融庁の話を交えて紹介する。

資産・通貨・時間の3つで投資を分散

自分の資金を複数の投資に振り分けることで、リスクを軽減し、安定的な運用を目指すことを「分散投資」という。前回はリスクとリターンの面から金融商品の性格を知り、市場の変化に対して異なる動きをすると思われる商品を組み合わせることの大切さを説明した。この分散方法は「資産(銘柄)の分散」といい、投資に関する熟練度にかかわらず、必ずすべきことだ。そのほか分散投資には、「通貨の分散」「時間の分散」などの方法がある。

通貨の分散とは、投資先を国内だけでなく、海外の債券や投資信託などに振り分けることだ。円と米ドルの関係を考えた場合、円安とはドル高を意味するわけで、通貨と通貨の関係は一方が安くなればもう一方が高くなる。異なる通貨に投資すれば為替変動リスクを軽減でき、国や地域によって異なる経済情勢の変化に対応できる。インターネットの普及で海外のリアルタイムな動きが入手しやすくなり外貨投資は以前よりも身近になったが、判断材料となる情報はまだ国内ほど豊富ではないことも知っておくべきだろう。

時間の分散とは、金融商品に投資するタイミングを定期的にずらす方法だ。例えば投資信託は、投資している株式や債券の変動に応じて、1口当りの時価(基準価額)が日々上下する商品だ。同じ金額で購入するなら、基準価額が低い時はより多くの口数が買えるし、高い時は少ない口数しか買えないことになる。これを毎月一定の金額で購入することにすれば、結果として一度に大量に買うよりも、割高な基準価額で買うリスクを軽減できる。

運用の目的に応じて資産を配分する

これまでに紹介したリスクとリターンの特徴を踏まえて、分散投資のモデルケースを考えてみよう。

資産運用の目的と安全性を考慮して資産を配分することを「アセットアロケーション」という。基本となるのは元本を確保する資産と、国内株式・国内債券・外国株式・外国債券の4つだ。銘柄としても多くの金融商品を持っていても、内訳を見てみるとこのバランスを欠いている人も少なくない。

元本を確保する資産とは、病気などの突然の出費に備えていつでも使えるお金(流動性資金)と、住宅ローンの資金や教育資金など将来使う金額や時期が決まっているお金(確実性資金)だ。流動性資金は運用基金ではなく、出し入れがしやすい普通預金を中心にする。確実性資金は一定期間の預け入れができるので、定期預金や個人向け国債などの元本保証型で利回りのつく商品を選択する。流動性資金はこの先1年に予想される出費、確実性資金はこの先10年程度の家族のイベントを考えると参考になるだろう。

ただし、全体の資金から流動性資金と確実性資金を差し引いた残り全部が、運用に回せるわけではない。資産全体の約半分を基準にして、元本をより重視するなら50%以上、より積極的な運用ができるなら50%以下といったところを目安してはどうだろうか。

定年も視野に入り始めたどらく世代の投資ビギナーは、リスクの大きい投資は避けたい。40代なら運用に回せる余裕資金のうち、40%を国内株式、30%を国内債券、残りの15 %ずつを外国の株式と債券に配分する。50代なら国内株式と国内債券を40%ずつにして、残りの10 %ずつを外国の株式と債券に配分するといったことが目安になるだろう。

問題は細かな数字ではなく、自分なりの配分についての考え方を自覚することだ。より安全性に配慮するなら、ローリスクローリターンの国内債券の割合を増やす。反対にリスクをとって高い収益性を狙うなら、国内株式の割合を増やす。リスクの変化の幅が大きくなったなら、日本経済とは別の動き方をする外国の金融商品も多めにもっておくというのが基本的な考え方だ。

余裕資金の運用先のモデルケース

とはいえ、投資の初心者が個別の株式や債券を選ぶことは難しい。金融庁総務企画局政策課の野崎英司氏は、心構えのひとつとして「信頼できるプロを活用すること」という。

「ファイナンシャルプランナーや、金融広報中央委員会から委嘱を受け、暮らし に身近な金融経済等に関する講師をつとめている金融広報アドバイザーに相談することも、参考になると思います」 (野崎氏)

安全性が高く、バランスのとれた運用のために、どのような債券や株式に投資すればいいのか。投資信託や個人向け国債などの具体的な商品を挙げながら、次回以降に説明する。

(更新日:2006年08月23日)

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