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お金と向き合う

なりたい自分になるための心得 その8 資産を外貨で守るために 手数料と金利の仕組みを知る

金融機関で差がつく出し入れの際の手数料

長らく続いた日本の超低金利と、世界のお金の動きを個人投資家にも身近にしたインターネットの普及を背景に、この数年、外貨預金が幅広い層から人気を集めている。外貨預金とは、日本円を外国の通貨に交換し、外貨建てで行う預金のことだ。

外貨預金は、普通預金と定期預金の2つに大きく分かれる。預けたお金に一定の利息がつくのは円預金と同様であるが、その人気の理由は、円預金と比べて金利が高いということだ。さらに円預金と大きく異なる外貨預金の特徴は、刻一刻と変化する為替相場の影響を受けることである。つまり自分が外貨を預けた時よりも円安の時に、再び円に戻せば利益(為替差益)が生じる。反対に円高の時に円に戻せば損失(為替差損)が生じる。

もう一点注意するポイントは、円を外貨に替える時と外貨を再び円に戻す時に、それぞれ為替手数料がかかるということである。為替手数料は金融機関によって違いがあり、米ドルの場合なら、1米ドルについて0.5円から2円(往復)までと、1米ドル=120円程度にしては大きな開きがある。以上のように、外貨預金は円に戻すタイミングによっては為替差損が利息を上回り、あるいは預け入れと払い戻しの際の為替手数料がかさめば元本を割ることになる。

ファイナンシャルプランナーの和泉昭子さんは、「外貨預金を始めるなら、まず自分の運用スタンスを決めてほしい」と語る。

「売買をほとんどしない方なら、金利を重視した商品選びを。頻繁に動かして為替差益を狙いたい方は、為替手数料が安い金融機関を選ぶことがポイントです。また将来は海外移住やロングステイを検討されていて、外貨を現地で使いたいという方は、外貨のまま現金やカードで決済できるかを確認してください。同時に、外貨決済する際の手数料をチェックすること。1米ドルで2円近い手数料がかかるのであれば、せっかくの利息や為替差益がかなり目減りしてしまいます」(和泉さん)

「年利」は実際にもらえる利息ではない

外貨預金の魅力の中でも、為替差益を狙うことより、どちらかといえば外国の好金利に期待する人に人気なのが外貨定期預金だ。確かに外貨定期預金には、「キャンペーン金利」といった謳(うた)い文句で、「年利12%・1カ月もの」を掲げている商品もある。ここで重要なのは、年利(または年率)という数字に対する正しい理解だ。年利とは、その金融商品の元本に対する利息の割合を1年あたりで示したもの。つまり「1年間預けた場合の利率」であり、実際の預け入れ期間でもらえる利率ではない。

したがって、この1カ月の定期預金に100米ドルを預けたとしたら、満期時の利息は100米ドルの12%=12米ドルではない。実際の利息は12米ドルの1/12の1米ドルになる(手取り分は20%の源泉分離課税を引かれた後の0.8米ドル)。

外貨定期預金の金利表記例

「それならということで、この定期預金に1年間預ければ、12米ドルの利息がもらえるかというと、そうとは限りません。キャンペーン金利が適用されるのは当初の1カ月とか、期間を限定している場合がほとんどです。外貨定期預金は自分が実際にもらえる利息を外貨ベースで把握し、さらには為替リスクの存在をよく理解した上で利用するようにしてください」(和泉さん)

日本経済が成熟段階を迎えたことや、少子高齢化、財政赤字の拡大といった日本の将来的な不安定要因をふまえ、資産の一部を円以外の通貨で持っておきたいという人は増えている。長期的なリスク分散の選択肢として、外貨預金を賢く利用するためにも、為替リスク、手数料、金利の3点に正しい知識をもつことが大切だ。

(更新日:2006年10月18日)

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