
詩子さん
今回は、自動車保険の具体的な中身についてお話しをうかがいます。
峰尾さん
分りました。自動車保険には、人に対する保険、モノに対する保険といったようにさまざまな保険があり、私たちはそれらを組み合わせて加入します。まずその柱となるのは、対人賠償保険、対物賠償保険、搭乗者傷害保険の3つです。
詩子さん
対人賠償保険は、他人に対する補償ですね。前回勉強しました。
峰尾さん
その通りです。車に乗っていて人をひいてしまったり、車に衝突してしまったりした結果、車に搭乗中の方がけがをした場合なども該当します。ただし、被保険者(保険の対象者)の父母、配偶者、子に対する対人賠償などは対象になりませんので注意してください。対物賠償保険は、物損事故に備える保険。他人の車にぶつけてしまった場合が代表的ですが、もし踏切内で事故を起こして電車を止めてしまったら、非常に高額な賠償を請求されることがあります。こういった場合の補償を、対物賠償保険でまかないます。そして搭乗者傷害保険は、保険を契約した車に乗っていた人が、亡くなられたりケガをされたりした場合に備える保険です。
詩子さん
“トウジョウシャ”というのはだれのことか、少し分りづらいですね。
峰尾さん
搭乗者とは契約している車に乗っているすべての人のこと。つまり事故を起こした運転手や、一緒に乗っていた家族、友人などのための保険ということになります。詳しい説明はまた後日しますので、今回は3つの保険の基本的な役割を覚えてください。

詩子さん
そのほかにも、自分の車が壊れた場合のための保険もほしいという方も多いと思いますが。
峰尾さん
そのような場合には、車両保険という保険に入ります。車両ということばが初めて登場しましたが、車両保険を相手の車を直すための保険と誤解されている方がいらっしゃいます。ここでいう車両とは、自分の車のこと。相手の車の損害は、先ほど説明したように対物賠償保険で補償します。車両保険には、ほとんどすべてのリスクをカバーする「一般車両保険」や、単独事故などはカバーしない「車対車+A」など、保険会社によっていくつかタイプがあります。保険のタイプによっても異なりますが、車両保険はオプションで契約するのが一般的です。


詩子さん
そのほかに、検討しておきたい補償内容はありますか。
峰尾さん
特に最近皆さんがオプションで加入されているのは、「人身傷害補償保険」です。これは自分が事故を起こした場合のための保険というより、むしろ事故の被害者になった場合の金銭的、精神的な負担を軽減する保険です。自動車事故は、事故を起こした相手が100%悪いといったケースばかりではありません。例えば信号が青色の交差点を直進したら、右折をしようとした対向車に車にぶつけられたとします。詩子さんは、事故の全責任が相手にあると思いますか?
詩子さん
難しいですね、こちらも不注意だったわけですから。
峰尾さん
こういった場合は「過失割合」といって、右折車は80%、直進車は20%といったように、道路交通法などに照らしながらお互いの事故に対する責任が配分されます。例えばこの場合の損害額が4千万円だとしたら、自車が直進車の場合、相手から損害額の20%は支払われないという場合がありますし、そもそも過失割合を決めるまでには相手方との面倒な交渉が必要です。人身傷害補償保険は、そのような場合でも自分の過失割合にかかわらず、運転者ご本人や家族のけがなどについて、保険金額の範囲内で損害額の全額が相手との示談を待たずに支払われるという保険です。
※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Netscape7.0以上、Firefox 1.0以上、Macintosh Safari 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。