
詩子さん
病気やケガで入院したら、どのくらいのお金が必要なのでしょうか?
豊田さん
もし入院となった場合、私たちが病院に支払うお金には、医療費の自己負担分のほか差額ベッド代、食事療養費(1食260円)などがあります。病院は、「4人以下」「面積が1人当たり6.4平方メートル以上」「ベッドごとのプライバシ−を確保する設備がある」など、一定水準以上の環境を備えた病室に特別料金を設定できます。差額ベッド代は公的医療保険で定められている費用を引いた金額。平均はだいたい1日あたり5千円ぐらいです。差額ベッド代がかかるベッドは全病床の約15%です。

詩子さん
友人が入院してお見舞いに行ったとき、キッチンのある立派な個室だったので驚いたことがありました。後で聞いたら、一般の大部屋にちょうど空きがなくて、差額ベッド代なしで入れたといっていたのですか、そういうこともあるのですか?
豊田さん
差額ベッド代というのはそういった特別な環境を本人が希望し、同意書による同意の確認を行った上で発生するものです。お友達の場合のように、病院の都合で個室に入院させたなら、差額ベッド代を請求することはできません。
入院したら自分がどのくらいの環境を望むかによって、差額ベッド代に対する考え方は変わってくると思います。差額ベッドは、病院の全ベッド数の50%以下と決められていますが、経営上の考え方や、患者さん側の希望もあり、差額ベッド代がかかる病床の割合はじわじわ増えています。1日3万円以上と高額化していることは知っておいた方がよいでしょう。

豊田さん
通常、私たちが受けている保険診療は、医療費の3割を自己負担することで治療が受けられます。最近の治療には「高度先進医療」という、大学病院などで実施されている最先端の医療があります。高度先進医療は、患者さんが希望し、かつ医師がその必要性を認めた場合のみ行われるもので、技術料が全額自己負担となっています。保険会社によっては、高度先進医療を受ける場合の自己負担分を保障する特約なども登場していますので、特約の説明をする時にまた詳しくお話ししましょう。
詩子さん
自分が想像していた以上に、入院となるとお金がかかるのですね。
豊田さん
入院1日あたりの自己負担費用は、平均で1万4千700円というデータがあります(2004年度 生命保険文化センター「生活保障に関する調査」)。ただしこれは、家族がお見舞いに行く費用や、パジャマなどの身の回り品をそろえるなどの雑費類も含まれる可能性のある数字です。差額ベッド代など、どこまでの費用を保険でまかなうかは、それぞれのご家族によって違うと思います。一方で、日本の公的な医療保険制度には、高額な医療費を支払った場合に、一部が戻ってくる「高額療養費制度」というものがあります。これは先ほどの自己負担費用には反映されていないので、実際の費用負担は少し、少なくなるかもしれません。
次回は「高額療養費制度」の説明を含めて、具体的な給付金日額の決め方を説明しましょう。

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